ホワイト企業の特徴や見分け方
by Armée du Salut – Division Québec
ホワイト企業の特徴として一般的に人材の定着率が高く、離職率が低い企業のことを指すことが多いようです。
では入社した人が離れにくいホワイト企業はいったいどのような仕組みやルールを作っているのでしょうか。
そこで本日は日本一社員が幸せな企業で有名な「未来工業」のルールをご紹介します。
【目次】
・ホワイト企業の特徴
・ホワイト企業の見分け方
・ホワイト企業が多い業界
ホワイト企業
出典
ホワイト企業は改善策を提案したら内容問わず500円支給
未来工業は他との差別化を徹底的に意識しています。
あらゆる面で差別化を図るには常に考える姿勢がとても大切になってきます。
そこで生まれたのが「改善提案制度」です。
これはどんな内容であれ、改善策を提案したらその社員に500円支給するというもの。
しかも一人でいくつも提案しても、改善策案の数×500円支給されます。
多くの企業にも改善策案を求めるシステムがありますが、たいていのケースは優秀なアイデアにはご褒美を渡すというものです。
しかし未来工業はアイデアの良し悪しにまったくこだわらず、提出した時点で500円支給、さらに何度でもOKというから驚きです。
(例えば「◯」「△」だけ書いても支給される!)
「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」ではないですが、
多くのアイデアを集め続けると、良いアイデアが出てきやすくなるそうです。
20個提案すれば、来月現金で1万円もらえてちょっとしたお小遣いになりますし、自分の案が採用されれば嬉しいでしょう。
ちなみに提出する際は自分の名前を書くので、内容が記号だけ、一文字だけなんていうのはさすがに無いようです。
ホワイト企業は「ホウレンソウ」禁止
未来工業では報告・連絡・相談の「ホウレンソウ」を禁止しています。
理由は上司に伝える労力や時間、電話代などのコストが無駄だということ。
そして何よりも現場にいる自分が上司より現場のことを知っているからです。
すべて自分で考え、判断して、行動するのが未来工業のやり方です。
もちろん上司から叱られることもありません。
出張なども自分が必要だと思えば自由に行けます。
トラブルが起こったときなども全て自分で対処しなければならないのですが、自分の仕事を自分で決めて進めていくというルールにやりがいを感じるようです。
ホワイト企業は休日は年間140日、年末年始は20連休
未来工業の年末年始は20連休のようです。
また5月のゴールデンウィークが飛び石連休だったら全て連休、8月のお盆休みなどは他よりも長く10連休にする。
こういったことが積もり積もって年間140日休む会社になったそうです。
年間140日だと1ヶ月に11~12日休みがある計算です。
「こんなに休んで大丈夫なのか!?」
なんて声も他所からあるようですが、
「こんなに休んだらお客さんに逃げられるかもしれない」というネガティブ思考ではなく、
「こんなに休んでもお客さんに逃げられないかもしれない」というプラス思考で考えているため実際に実行しています。
もしダメだったらすぐに元に戻すという姿勢があるので、
思い切った施策をどんどん行っているようです。
ホワイト企業の勤務時間は1日7時間15分
就業時間は8時30分~16時45分までの7時間15分、もちろん残業は禁止です。
あなたの就業時間と比べていかがでしょうか?
ちなみに未来工業は政府系機関から「日本一勤務時間が短い会社」として認定されています。
「趣味の時間がたっぷり持てて楽しい!」
「18時には家族揃って夕食が食べれるので幸せを噛みしめられる」
と、未来工業で働く人たちは話しています。
また残業は禁止されているので、なんとしても時間内に終わらせようと色々考えたり、効率化をすすめたりする動きも活発化しています。
ホワイト企業はコストを削った分を社員へ還元
未来工業の本社には300人以上の社員がいますが、コピー機がたった1台しかありません。
また、ネームプレートや携帯電話、お歳暮やお中元の禁止、さらにはセコムなどの警備会社との契約をしなかったり、守衛を置かなかったりとコスト管理はかなり徹底されています。
そこには常に利益や顧客サービスと天秤にかけて必要か必要でないかを判断している背景があります。
例えばお歳暮やお中元にコストをかけるよりも、
顧客から問い合わせがきたときに相手を待たせず、
「それは〇〇ですね」と俊敏にこたえる社員を育成するためにコストをかけた方が利益や顧客サービスにつながると考えています。
お歳暮などを送って利益になるんだったらどんどん送りますが、そういうわけではありませんよね。
未来工業はこうやって慣例的に行っている無駄を省いて得た利益を社員に分配している仕組みになっています。
福利厚生がしっかりしていること
ホワイト企業の特徴として、福利厚生がしっかりしていることがあげられます。
有給休暇があることや、産休、育休がある企業はホワイト企業っぽいですが、そういう制度が会社にあったもしても、実際は、なかなかその権利を利用することができないという企業も沢山あります。
有給休暇、産休、育休などがありしっかりとれる会社は少ないですが、これこそがホワイト企業です。
また、健康診断や、レクリエーションなどを会社側の負担で充実させている企業もホワイト企業です。
ホワイト企業は福利厚生がしっかりしていてとても働きやすいのが魅力的です。
残業が少ないあるいは無い企業
ホワイト企業というのは社員のことをまず第一に考えるため、無理な残業や時間外勤務は少ない傾向にあります。
残業が無かったり、少ない企業はホワイト企業だといえます。
さらに極力残業を減らすためにノー残業デーを作ったり、仕事をいろんな人に振り分けたりなどといった工夫を行っています。
企業によっては毎日何時間も残業するようなところもありますが、ホワイト企業なら、残業をしたとしても少しだけです。
毎日何時間も残って残業なんてことはあり得ません。
残業が多いということは、人員が足りていないのか、社員一人に対しての仕事量が多すぎるということになるのですが、ホワイト企業なら、そんなことはあり得ないので、残業が少ないのです。
それでももし残業を社員がせざるを得ない状況になったら、ケチることなく残業代をしっかりと出すのもホワイト企業の特徴です。
このように社員にとって働きやすい職場環境を作るために、ホワイト企業は常に企業努力を怠ることをしません。
これは逆に言えば社員のことを第一に考えられない会社はホワイト企業だと言えないということになりますね。
金銭面がしっかりしている
ホワイト企業は仕事に見合った給料をしっかり払ってくれます。
ホワイト企業では、かなり重労働で安い賃金なんてことはありません。
ホワイト企業なら、普通にしていれば、定時時間にこなすことのできる仕事量で、それなりのお給料が支払われます。
また、残業した場合でも、残業代もしっかり管理され、15分単位や30分単位などで残業代もちゃんと支払われます。
ホワイト企業にはたとえ30分でもサービス残業はありません。
タイムカードなどでホワイト企業ではしっかり管理されているのです。
また、ブラック企業ですと、タイムカードを押してまた、仕事に戻るというようなこともありますが、そんなことがないように、しっかり管理されています。
女性が仕事をしやすい
ホワイト企業は女性が仕事を行いやすい環境がしっかりと整っているという特徴があります。
企業の問題で多く挙げられるのが、女性の育児や職場復帰などです。
少しでも休んでしまえば復帰しにくい企業が多いのが現状です。
ですが女性は結婚や育児などでどうしても休まざるを得ない場合があります。
しかし長く休暇をとってもその間に手当てが出たり、職場に復帰しやすかったりなどとするのがホワイト企業の特徴なのです。
女性が気軽に休める制度が整っており、さらに出産後にも長く仕事を続けやすいのです。
そうした女性が働きやすい環境は、実は男性にとっても仕事を行いやすい場所でもあるのです。
社員の離職率が低めになっている
ホワイト企業は職場の環境が整っていることに加えて、適切な額の給料が支払われるために不満を持つ社員はほとんどいません。
それゆえよっぽどの事情がない限り、会社を辞める人はあまりいないという特徴があります。
なので離職率が低いということは、それほど良い環境の職場だということになるのです。
ですがその分、人手不足に陥ることはほとんどないため、新社員を広く募集しておらず、窓口が狭くなるという傾向にあります。
離職率が低くて求人の数が少ないのであれば、その企業はホワイト企業と考えて相違ありません。
ホワイト企業の見分け方
求人票の「年代別モデル年収」「残業代」の欄をチェックする
ブラック企業ほど「一見良さそうな」求人票の書き方になっているので、注意して見ることが必要です。
ブラック企業は、人気を得るために初任給を高くする傾向にありますが、大切なのは着実に昇給していくかどうかです。
初任給が高くても、昇給が望めなければ長い目で見て高給とは言えません。
ホワイト企業であれば年代別モデル年収などを開示していることが多いため、成果を出したり長く在籍すれば昇給していくことがわかります。
また、「残業代あり」などと残業代に対して曖昧な表現をしている企業は要注意です。
「残業代あり」では、48時間のみなし残業込み、という場合もあります。
「残業代は一分単位で計算します」など、詳しく記述があればホワイト企業である確率が高いです。
選考時の対応で判断する
応募したときのメールのやりとり、説明会や面接の雰囲気などでもホワイト企業かどうか判断することができます。
まず、応募をしても期日までに返信がなかったり、重要な書類に間違いが多い場合はブラック企業である確率が高いです。
対応のずさんさは、社員が仕事に追われ余裕がないことの表れです。
また、説明会や面接のときに感じた雰囲気も企業選びの重要なポイントです。
ホワイト企業であれば説明会の雰囲気はリラックスしていて、面接時もよく応募者の話を聞いてくれます。
ブラック企業の説明会は重苦しい雰囲気の場合と、応募者を囲い込もうと過剰にサービスをしてくる場合があります。
また、ブラック企業の面接においては企業側の要望を話すことが優先となり応募者の人間性などがあまり考慮されなかったり、ハードな勤務に耐えられるか試すために圧迫面接をするという傾向もあります。
求人の出し方や企業のクチコミサイトをチェックする
一定の期間求人サイトを見ているといつも求人を出している企業を見かけますが、そのような企業はブラック企業である確率が高いです。
離職率が高く、社員が定着していないからです。
「出産のため退職した社員の欠員補充」「事業拡大のための人員募集」などといった理由で求人をたまに出している企業はホワイトである確率が高いです。
また、企業のクチコミサイトには在籍社員による生の声が載っているので企業選びの参考になります。
クチコミサイトには主に退職者や転職を考えている人が投稿するので、クチコミ数が多いほどブラックであり、クチコミが少ないほどホワイトという判断もできます。
在籍社員による評価は信憑性が高く、ホワイト企業であれば前向きなコメントが並んでいます。
会社の規律がはっきりしているか
会社によっては、規律を特に設けていないところもあります。
大手の企業だと、たいていは、専門分野のプロの作業で「会社規律」と言うものを定められて作られており、会社内の小さなことから、言わなくてもわかりきっているような大きな決め事まで規則として記載されている手帳のようなものがあります。
そして、社員一人一人に手帳として渡されていることが多いです。
そういった会社だと、労災に関しても、夫の立場の育児休暇等も、会社の都合だけで「なし」とせずに、しっかり、手当や補助等受けられることが多いはずです。
しっかりと明記したものがあるのなら、直々の上司よりも上の方の上司に言えば言うほど、守るものとして保護してもらえるようなところがあるようです。
大きめの会社でも、組合があるかないか
意外な落とし穴として、大手の会社として名前が知られているので、色々な保証もあり、安心と持っていても、組合が無いので、会社の都合が大きかったということもあります。
良く耳にするし、全国CMもしているような企業だからと言って、ブラック企業と言えないということも、言いきれないということです。
最初のお給料は良くても、実際に働いて、社会の景気の変動で、給料がガタ落ちするということがあっても、組合が無い企業では、社員も文句をいう場所が無いということです。
そのような会社は、ストライキを起こすなら、辞めてもらっても構わないというような姿勢で強気に出るということも言われやすいでしょう。
究極の話で、社内での自殺等を耳にするような会社は、やはり無理が重なった結果と言うことも多いはずです。
会社の大きさではなく、人として話せる上司か
会社の大きさには関係なく、直接の上司や人事の係、もしくは社長でも、自分のことを、人間として扱ってくれるかと言うことは非常に大事なことであると思います。
自分を、社内のただの歯車として扱おうとする会社は、居心地がよくなることは少ないということかもしれません。
1人でも、自分のことを理解してくれる人がいたら、長く続くでしょうし、何かあった時には味方になってくれるでしょう。
社交的でない人は、中小企業等のファミリー的関係が、ウザったいというところもあるかもしれませんが、そういった会社の場合、気にいってもらえると、生涯を任せられるような関係になることも多いでしょう。
ホワイト企業が多い業界
生活に欠かせないエネルギー業界
電力やガス、水道といったエネルギーは生活になくてはならないものです。
社会の発展のためにも欠かすことのできない業界のため、企業は働き手の確保と定着のために努力を怠っていないということが挙げられます。
電力会社や水道局に関しては地域の中でほぼ独占状態ですし、ガス会社に関してもやはり他の業種に比べると競争率が低いということがあり、企業が潰れてしまう可能性はほとんどありません。
仕事に就くためにはある程度専門的な知識が必要になりますが、離職率の低さと高めの給料設定で、ホワイト企業の多い業種の代表格だといえます。
有給取得率の高い情報・通信系
有給取得率が高く、Uターン就職者のかたにも人気が高いのが情報・通信系の業界です。
固定電話や携帯電話会社、インターネット回線業者がここに含まれていますが、通信業界は新規参入の壁が厚く、一つの企業の規模が大きいのも安定の理由となっています。
また、平均年収が他の一般企業よりも高いということも挙げられます。
窓口業務などで多くの女性が働いていることもあり、女性にとっても間口が広い業界です。
新卒かたの研修、教育制度が充実しており、働き始めてからのスキルアップ制度、さらに資格取得支援なども整っています。
不況の影響を受けづらい医療機器メーカー
医療機器メーカーというのは、世の中が不景気になっていても需要が減ることがなく、ほとんど影響受けない業界です。
高齢化社会に伴いますます必要性が高まっていくことが見込まれ、実際業績を悪化させている企業の多い中で医療機器業界に関しては堅調な昇り推移を見せています。
今後も成長を見込める業界として人気が高く、残業率、離職率ともに低めです。
営業や開発などによって求められる知識は異なりますが、安定性から他業種からの転職希望者も多い業界となっています。
特に営業に関してはインセンティブ制が導入されており、若いかたでも年収1000万円クラスのかたが珍しくありません。
ホワイト企業を参考にしてみる
さすがに会社全体でこのようなルールを決めるのは難しいものです。
しかし部署内などの一部分では取り入れられるものもあるのではないでしょうか。
ここまで思い切ってやるのは勇気がいりますし、上手くいかなかったときの不安もあります。
そんなときは「ダメだったら元に戻せばいい」という言葉を思い出してみてはいかがでしょうか。
大胆な変革を起こすことにつながり、周りの人に喜ばれるキッカケになるかもしれません。
また、もしあなたの仕事が上手くいっていなかったり、職場での悩みがあるのであれば「仕事ができない人の特徴とその対処法9つ」もあわせて読んでみましょう。きっと今までの悩みや問題が一瞬で解決できるキッカケをつかむことができるはずですよ。