うつ病の人との接し方8つ

あなたの身近な人にうつ病を患っている人はいるでしょうか。

現在進行形ではないけれども、そういう人がいたことがあるという経験は多くの人があることでしょう。

一度、相手がうつ病だと認識したら、接し方が大きく変わってしまうことも少なくありませんし、禁句とされている言葉を平気で言ってしまうこともあります。

それで、相手の病状がますますひどくなってしまったら、何とも言えない気持ちになりますよね。

相手の一生を左右するかもしれないほど、うつ病の人との接し方というのは大切なものなのです。

そこで今回はうつ病の人との接し方についてご紹介してきますので、ぜひ参考にしてみてください。



うつ病の人との接し方

うつ病の人との接し方1.うつ病の本人をまずは心理的に受け入れる

うつ病を患っている当人は程度の差こそあれ、心のうちに多かれ少なかれ今現在置かれた状態に罪悪感を持っています。

会社や学校を休むことになっているかもしれませんし、そうなれば周囲の人々の心配は察してあまりあるものがあるでしょう。

うつ病患者は表情も曇り、覇気が失せ、外部からその姿や行動を見ると、まるで怠けているように見えることがあります。

心配と現状を打開したいという強い気持ちから、つい周囲の人はうつ病患者につらく当たりがちです。

会社への復帰はまだかとか学校へはいつ行くのかとか追い立てる詰問口調で対話をしても、問題は解決しません。

逆に本人はいっそう追い詰められて、苦しみ、病状が悪化するほうが自然の流れです。

本人は自分が置かれた現状に日々消耗し、戦っています。

むしろ本人に対し、ねぎらいの言葉をかけ、あなたを受け入れているよという態度で接すると良いでしょう。

対話の際に頭ごなしに本人を怒鳴りつけたり、非難する行動は避けなくてはなりません。

最も苦しんでいるのは周囲の人ではなく、うつ病の本人なのですから、そこは忘れてはいけません。

本人を非難したり追い込んだりして周囲の人々の気持ちは治まるかもしれませんが、全く本人の為にはなっていません。



うつ病の人との接し方2.声のトーンに気をつける

うつ病の本人はデリケートな人が多く、消耗した神経は普通の人以上に過敏になっています。

大きな声で元気に話しかけることは通常の人間関係ではむしろ好ましいことではありますが、うつ病患者との対話では控えましょう。

優しいトーンで声量を抑えて、ささやくよりもちょっと大きいくらいの声で語りかけるのが理想です。

うつ病患者の神経はデリケートで、病中は消耗しています。

大声で語りかけることは、むき出しの内臓を紙やすりでこすられるくらいの苦痛になってしまいますから声のトーンと声量には注意しましょう。

うつ病の本人は人間不信に陥ってしまっていることも少なくなく、通常の人間関係以上に相手に配慮が必要だと言えます。

うつ病の人との接し方3.「頑張れ」は禁句

うつ病の人には、「頑張れ」とは言わないほうがいいです。

うつ病の人は、もう十分にがんばって、それで疲れきっている場合が多いです。

「頑張れ」と言われても、これ以上何を頑張ればいいのか、と感じるだけです。

うつ病の人を変に励まそうとしたりすると、却って落ち込ませてしまうので注意してください。

むしろ、「頑張らなくていいから」と言ってあげたほうがうつ病の人は元気が出てきます。

うつ病の人は、あらゆる面で疲れてしまっていて、心身ともに疲れがピークに達し、それで病んでしまっているのです。

いくら頑張ったとしても、うつ病は良くはなりません。

気軽に使う「頑張れ」という言葉も、うつ病の人にとっては傷つく言葉になってしまうので気をつけましょう。



うつ病の人との接し方4.批判するようなことを言わず、聞き手に徹する

うつ病の人に、批判するようなことを言うのはやめましょう。

「たるんでいるだけだ。」とか、「怠けているんだろう。」などというのは誤解です。

うつ病になる人は、もともと生真面目な性格の人が多く、むしろ普通よりひたすら頑張ってしまいがちなのです。

頑張って頑張って、もう疲れてどうしようもなくなって、心を病んでしまった状態がうつ病です。

うつ病になった人を責めるような言葉は控えて、むしろ相手の言葉を引き出すように、聞き役に徹してあげてください。

もやもやした心のうちを吐き出したら、うつ病の人も少しは気が楽になってきます。

受け入れてあげるという姿勢を崩さないようにしてください。

うつ病の人との接し方5.とにかくゆっくり休ませてあげて、治癒を待つ

うつ病の人は、ともかく心も体も疲れが限界にきてしまって、自分でもどうしようもなくなっています。

だから、ひたすらゆっくりと休ませてあげてください。

こちらが焦ってもダメなのです。

じっくりと休んで、自然と疲れが回復してくるのを待ってあげてください。

時間はかかるかもしれませんが、うつ病は治る病気です。

理解をしてあげるようにして下さい。



うつ病の人との接し方6.相手を否定しないこと

対人関係や職務内容など、うつ病に至るきっかけや原因は様々ですが、基本的には自分の限界を感じ自分を否定してしまうことでうつ病に陥りやすくなると言われています。

そのため、うつ病の人と接する際にはその人を否定しないことが大切です。

うつ病患者の発言を否定することはもちろん、うつ病患者の記憶、思考、存在、環境など、うつ病患者と関わる全てのものに否定しないように努めます。

「でも」や「それはない」など、否定的なうつ病患者にとってネガティブに受け取れるような単語を会話の中に使わないように接します。

うつ病の人との接し方7.話を聞く、もしくは話を聞かせること

前述した通り、うつ病患者は自分を否定してしまう傾向にあります。

そのため、話を聞く、もしくは話を聞かせることで「話し相手がいる」という安心感が生まれます。

話を聞く場合の注意点は、こちらの意見は求められない限りは弁明せず、優しく相づちを打つことです。

そしてもう一点大事なことは、無理に話を引き出さないことです。

ネガティブに嫌なことばかりを考えてしまっていたり、もしくは何も考える気力が起こらないという際に、人に話をすることでより嫌な思考をほじくり返してしまうこともあります。

必ずしも人は、誰かに話して楽になるというわけではないのです。

もしそういった場合は、こちらから話を聞かせることのほうがうつ病患者にとっては楽になります。

昨日の出来事や最近のテレビ番組の話題など、取り留めもない話でも良いと思いますが、話題選びに関する注意点もあります。

うつ病患者がうつ病に至るようになった原因やきっかけを連想させるような話題は避けることです。

例えば、職場の上司との対人関係がきっかけだったうつ病患者にとって、職場や上司を思い出すと自分を否定されていたような言動や環境をも思い出してしまうからです。

思い出してしまうとまた自分を否定してしまい、うつ病が悪化する可能性もあります。

例え自分自身とうつ病患者が全く異なる職業であっても、仕事に関連する話題は避けておくことが賢明です。



うつ病の人との接し方8.うつ病の人と一緒に外出すること

やはり人間は太陽の光を浴びるとリフレッシュするものです。

一日中屋内に閉じこもっているよりは、数分でも太陽の光を浴び、身体を動かすことで生命力を感じます。

しかし、そう分かっていてもなかなか自分から外出できない場合もあります。

どうせ何をしても自分は楽しめないだろうと自分を否定的に思う場合もあるからです。

ですので、外出の誘いをし、一緒に外に連れ出してあげることが第一歩になります。

そしてまずは近所を数分散歩するだけでも構いません。

いきなり無理に連れ出すのではなく、段階を踏みながら外の楽しさを体感することが大切です。

うつ病の人との接し方での禁句

自分の意見を押し付けない

うつ病の人に自分の意見を押し付けてはいけません。

うつ病の人は、自己否定的な状態になっていることが多く、とにかく自分の考えていることそのものも「駄目なことである」と否定的になりがちです。

しかし、その否定している状況を別に他人に批評してほしいわけではなく、だめだ、と考えていることだけで一杯一杯なんです。

例えば水桶を持っていると考えてみてください。

「考え」という水がいっぱいに桶に入っています。

否定的な考え方は持っていますが、何も考えていないわけではなく、寧ろ一所懸命自分はダメだ、と考えている状態の人は水桶から水が既にあふれそうです。

そこに他人の意見の押し付けが来てしまうと、とても大きな石が上から降ってくるようなものです。

許容も出来ないから、水と混じりあうこともない、既に溢れそうな水桶から中身が溢れてしまいます。

水が溢れて、ダメだ、という考えがなくなるならいいでしょう、しかしそれはダムの決壊と同じです。

他人を許容できずに、更にその人の心が悲鳴をあげるだけです。

それよりも、その水がこぼれないように、優しく受け止めてあげることが大事です。



「頑張れ」と安易に応援しない

「頑張れ」といってはいけない、というのはよく聞く言葉だと思います。

なぜか。

うつ病の人は既に限界まで頑張っているのです。

頑張っているのに、どうしようも出来なくて、何も解決できなくて、自分はダメ人間なんだ状態に陥ったときに、「頑張れ」と言われてしまうと、「自分の頑張りは所詮、自分の物差しで頑張っている、と認識しているだけで他人から見るとまだまだ頑張る余地があるんだ、でも頑張れない、頑張っても結果が出ない、どうして自分は」となってしまうわけです。

うつ病は真面目な人がなりやすい、といわれているのもこのせいです。

自分にストイックで、他人からの評価を気にして、自分自身でどんどん自分を追い込んでしまう人は、既にもう崖っぷちです。

崖っぷちにいる人は、既に自分で戻る気力はありません。

寧ろ崖っぷちに進んでいってしまい、誰かが止めてあげないといけない状況なのです。

それなのに、誰かが「頑張れ」と言ってしまったら、それは崖に向かって背中を押している状態なのです。

うつ病の人は既に頑張っている人、それをちゃんと頭にいれて「頑張れ」とは言わないでください。

「私も同じだよ」と立場で同じであることを示さない

「あなたのことがわかります」と同調するのが大事な一方で「私もあなたと同じです」と、同じ立場で示すことはしてはいけません。

うつ病の人はとにかく自分を追い込むだけではなく、人と自分を比較することで「自分はだめである」という物差しの結果を持っています。

自分から見て健常な人から「自分も同じだよ」なんて言われてしまうと、自分の相手は同じような状況であるのに、この人は大丈夫で、自分は大丈夫じゃない、やっぱり自分は…という流れになってしまうわけです。

あくまでも話を聴いてあげて、「わかる」というのは大丈夫なのです。

あくまで、話を聴く人とと話を聴かれる人は別の立場であり、同じ土俵に立つ事は出来ません。

同じ土俵に立ってしまった瞬間、大丈夫な人を見てしまえば、その人の心の中で、足場はガラガラと崩れてしまうでしょう。

それよりも、ゆっくりと時間をかけて、抱えているものをおろさせて、引っ張り上げるように活動してあげてください。

あなたが開いてを助けたい、という立場であることを示して安心させてあげることが何よりも重要なことなのです。

うつ病の人との接し方のまとめ

  • うつ病の本人をまずは心理的に受け入れる
  • 声のトーンに気をつける
  • 「頑張れ」は禁句
  • 批判するようなことを言わず、聞き手に徹する
  • とにかくゆっくり休ませてあげて、治癒を待つ
  • 相手を否定しないこと
  • 話を聞く、もしくは話を聞かせること
  • うつ病の人と一緒に外出すること
また、もしあなたの仕事が上手くいっていなかったり、職場での悩みがあるのであれば「仕事ができない人の特徴とその対処法9つ」もあわせて読んでみましょう。

きっと今までの悩みや問題が一瞬で解決できるキッカケをつかむことができるはずですよ。



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