強情な人とは、一度決めたら周りの意見を聞かずに突き進むような人のことです。
頑固ともいえますね。
そんな強情な人を相手にするのは、言うことを聞いてくれないし、時には自分の意見を押し付けてくることもあるので、とても疲れるものです。
しかし、最初から毛嫌いしてしまっていては、それ以上の改善は見込めません。
大切なのは相手の心理をしっかりと理解すること。
そしてその上でコミュニケーションを取っていくことです。
そこで今回は強情な人の心理についてご紹介していきますので、ぜひあなたやあなたの周りの人に当てはまるかどうか確認しながら最後まで御覧ください。
強情な人の心理
「自分は正しい」と信じ切っている
強情な人は人の意見を聞こうとしませんが、そのもとにあるのは「自分は正しいと信じている」という心理と考えていいでしょう。
たとえば、仕事のやり方について、上司や先輩から「こうしたほうがいいよ」という助言をもらったとします。
助言をしたのが自分より立場の上の人、経験のある人であれば、その助言を聞き入れてそれに従おうとするのが、ふつうでしょう。
助言にすべて従うことはなくても、それを取り入れて仕事のやり方を変えるということはするに違いありません。
強情な人は違います。
たとえ、相手が上司や先輩であっても、その助言には従わず、それまでの自分のやり方を押し通そうとするのです。
そこにあるのが、自分の正しさに自信があるという心理なのです。
自分の仕事のやり方に自信があり、上司や先輩のアドバイスよりも、効率的なやり方だと信じているため、人の意見を取り入れようとはしません。
客観的に考えれば、多くの場合、経験豊富な人のやり方の方が効率が良いに違いありません。
しかし、強情な人は客観的な目を持てず、どうしても主観的に自分を見る傾向があります。
そのため、自分の正しさを信じて疑わないのです。
自己評価の高い自信家なために、「自分は正しい」と信じ切っているのが、強情な人の心理的特徴ということになるでしょう。
わがままで思い通りにならないと気がすまない
よく、強情な子どもがいます。
言い出したら親の言うことも、誰の言うことも聞かず、自分の「我」を押し通そうとする子どもです。
親から「こうしなさい」「こうしてはだめ」と言われても、けっしてそれに従おうとはしません。
そういう子どもに共通する心理は「思い通りにならないと気がすまない」ということでしょう。
そんな子どもがそのまま大人になってしまったのが、強情な人です。
ふつうは、子どもの頃は強情であっても、成長し、大人になるにしたがって、だんだん人の意見を聞き、自分の欲望や欲求をがまんするということを学んでいくものですが、強情な人はそうではありません。
いくつになっても、「我」が強く、自分の中にある欲求を押さえるということがどうしてもできないのです。
「こうしたい」と思ったら、なにがなんでもそうしなければ気がすみません。
つまりは、幼児性が強いということになりますが、そこには、自制心がないという特徴が隠れていると考えていいでしょう。
自分で自分の感情や欲求をコントロールすることができないため、わがままになってしまうというのが、強情な人の特徴なのです。
負けず嫌い
自分と相手がまったく反対の意見を持っているとしましょう。
たとえば、ある仕事のやり方について、職場の同僚と意見が対立するというようなケースです。
ふつうは、反対意見を持っている人と、意見のすり合わせをして、二人の間でコンセンサスを得るようにするでしょう。
その際、自分の方が相手に歩み寄るということも、当然出てきます。
強情な人は、そうした歩み寄りができません。
そこには、「相手に負けたくない」という心理が働いていると考えていいでしょう。
負けん気が強いために、自分の方が折れるということができないのです。
強情な人は、相手の意見に従ったり、歩み寄ったりすることは「負け」だと考えています。
何でもすぐに人との優劣を競い、勝ち負けにこだわるのが、強情な人の特徴と言っていいでしょう。
実際には、人生はそんなになんでもかんでも勝敗を競うというものではありません。
人の意見に従ったり、歩み寄ったりしたからと言って、それが「負け」だとは、ふつうは考えないでしょう。
しかし、強情な人は極端な負けず嫌いなので、どうしてもそこにこだわってしまうのです。
我を押し通すことで、相手に勝ったという優越感を得るのが、強情な人の心理的特徴ということになるでしょう。
プライドが高い
強情な人には「自分の意見を変えない」「自分の非を認めない」「人を頼ろうとしない」といった特徴がありますが、その元にあるのはプライドの高さと考えていいでしょう。
自分の意見が人と衝突したり、人から忠告を受けても、人の意見は聞き入れず、自分の意見を貫こうとします。
それは、人に影響を受けて意見を変えてしまうようなことは、プライドが許さないからにほかなりません。
自分の非を認めようとしないのも同様です。
たとえば、いつもは時間厳守な人が、たまたま約束の時間に遅れたとしましょう。
ふつうならば、遅れたことを素直に詫びるところですが、強情な人はそれができません。
遅れたという事実は認めながらも、それはやむを得ない理由があったからだという言い訳をするのです。
そこには、「自分はうっかりして遅刻するようなルーズな人間ではない」という自負心があります。
プライドの高さから、自分がルーズな人間であることを認めないのが、強情な人の心理と言っていいでしょう。
さらに、人を頼らないというのも、プライドの高さから来ています。
仕事が自分の手に余るようなときも、「ぜったいに自分の力でやり切って見せる」という強い意志を持ちます。
実際には人の手を借りたほうがいい時でもそうしないのは、「人に頼るような自分を許せない」という心理があるからと考えていいでしょう。
へそ曲がりで人と同じことを嫌う
人から「こうしたほうがいい」と言われれば言われるほど、かたくなになって、意地でもそのアドバイスには従わないのが強情な人です。
そのようにかたくなになる背景には、へそ曲がりな心理があると考えていいでしょう。
それはつまり、「人と同じことがイヤ」という心理です。
人がAと言えば「自分はB」と主張し、それを譲ろうとしません。
「自分は人と違う」ということが、つまり、強情な人のアイデンティティになっていると考えていいでしょう。
ですから、人の意見に流されないだけでなく、流行を取り入れることも嫌います。
流行に乗って、人と同じかっこうをしたり、同じアイテムを買ったり、同じような言葉づかいをすることはしません。
「自分は人とは違う」「あなたの意見には従わない」という態度をとって、自分を主張しているのが、強情な人と言うことになります。
そのように「人とはちがう自分」をアピールすることで、自分の存在意義を自分で確認し、自己満足するわけです。
へそ曲がりで、他の人と同じであることを嫌い、「人と違う自分」を主張するのが、強情な人の心理と言うことができるでしょう。
強情な自分が好き
強情な人は自分が強情であるということを、はっきり自覚しています。
人から「あの人は強情だ」と言われていることもよく知っています。
「強情」というのは、意固地で意地っ張りという意味ですから、決して良い表現ではありません。
「あの人は強情だ」という場合、その人に対する周囲の評価は低いわけです。
ところが、強情な人はそのような意味には解釈しません。
強情ということを良い意味に解釈して、「そんな自分が好き」という心理を持っているのです。
人の意見を聞こうとしないのは、それだけ「自分」というものがしっかり確立されているからだと考えます。
人の力を頼ろうとしないのも、かんたんに弱音を吐いたりしないのも、自立心が強く、また、人間的に強いからだと解釈しているのです。
自分の意見をしっかり持っておらず、すぐに人に流されてしまう人に比べれば、強情な人が強い意志の持ち主であることは確かでしょう。
しかし、その意志が強すぎるために、視野が狭くなり、自分とは違う意見に耳を貸そうとしないというのは、やはり人間的な欠点と言わざるをえません。
強情な人は自分をそのように客観視することができないため、「強い意志を持った自分が好き」という心理を抱いてしまうのです。
強情な人への対処法は?
いかがでしょうか。
ご紹介したように強情な人は自分本意な人が多いということがわかります。
そんな人に対してどう対処していけば良いのでしょうか。
その方法は2つのパターンがあります。
1つは相手に合わせる方法です。
これはあなた自身が心では嫌だと思っていても相手にうまく合わせて、自分の望みどおりな展開に持っていくというやり方が基本でしょう。
いわゆる「手のひらで転がす」です。
もう1つは、まったく相手にせず、むしろあなたが自分本位に振る舞うという方法。
これは相手とぶつかることはたくさんありますし、むしろ嫌い合う関係にすらなってしまうことも少なくありません。
できるだけ衝突を避けたいのであれば前者のやり方で、相手に合わせること自体が納得いかないのであれば、あまり相手にしないでそのまま進めるという後者のやり方がおすすめです。
また、もしあなたの仕事が上手くいっていなかったり、職場での悩みがあるのであれば「仕事ができない人の特徴とその対処法9つ」もあわせて読んでみましょう。
きっと今までの悩みや問題が一瞬で解決できるキッカケをつかむことができるはずですよ。