ふてくされる人の心理とその対処法とは?
あなたの周りにすぐにふてくされる人はいるでしょうか。
また、あなたはちょっとでも嫌なことがあったらふてくされたりしていませんか。
もし思い当たる節があるのであれば、これから先の振る舞いは注意しなければいけません。
それは一体なぜなのか。
そこで今回は、ふてくされる人の心理とその対処法についてご紹介していきます。
不貞腐れる(ふてくされる)の意味とは
ふてくされるの意味とは、嫌なことがあり投げやりな態度をとることです。
また、相手に対して反発する意味を込めて不愉快にさせるような態度をとったり、ブスッとした振る舞いをする意味でも使われます。
ふてくされる人の心理
現実を受け入れたくない
ふてくされる人の多くは、今自分の目の前で起こっている現実や、自分の置かれている現状を受け入れたくないという心理を持っています。
たとえば、仕事の成績が振るわず、上司から強く叱責されたとしましょう。
そういう時にふてくされる人は、「自分は仕事の成績が振るわないために上司に怒られた」という現実を受け入れようとしません。
多くの人は、上司から叱責されれば、「もっと仕事をがんばろう」と思うものでしょう。
それは、上司に叱られたという現実を受け入れ、自分の抱えている問題に正面から向き合おうとしているからです。
ふてくされてしまう人は、そのように現実に正面から向き合おうとはしません。
ただ、単に上司から叱られたことを不快に感じ、投げやりになっているだけなのです。
「成績を上げれば上司から叱られることはないのでから、仕事をがんばろう」というように前向きに考え、努力しようとしないわけですが、それは、自分の抱えている問題を受け入れ、それに対応しようとする意志がないためです。
ふてくされるというのは、一種の現実逃避と考えていいでしょう。
自分の目の前にある問題に対処しようとはせず、問題を置き去りにしたまま、そこから離れてしまおうとするのが、ふてくされる人の心理なのです。
人にかまってほしい
ふてくされる人には2つのタイプがいます。
1つは無意識のうちにふてくされた態度を取っているタイプ、もう1つは意図的にふてくされた態度を取って、周りの人にそれをアピールしようとしているタイプです。
この後者のタイプの人は、「人にかまってほしい」という心理を持っていると考えていいでしょう。
たとえば、仕事のことで上司に叱られた同僚が、自分のデスクでふてくされた態度を取っているとします。
そんな同僚を見れば、「気にするな」と声をかける人もいるでしょう。
同僚が叱責されているところを見ていて、「課長もあんな言い方しなくてもいいのに」と同情する人もいるかもしれません。
意図的にふてくされている人は、同僚からそのように声をかけられ、同情されたり励まされたりしたいと思っているのです。
また、上司に叱責された時に上司に対してふてくされた態度を見せるケースでも、「自分はあなたの叱責によって、心を傷つけられた」ということをその態度で伝えようとしています。
そのことによって、上司が「ちょっと言い過ぎた」と反省することを期待するケースも少なくありません。
いずれにしても、ふてくされた態度を人に見せることによって、人から何らかの反応があることを期待しているというのが、意図的にふてくされる人の心理ということになるでしょう。
自分の思いどおりにならないと気がすまない
ちょっとしたことですぐにふてくされる人には、強い幼児性があると考えていいでしょう。
幼い子どもはわがままですから、なんでも自分の思い通りにならないと気がすみません。
欲しいものを親に買ってもらえないとふてくされてしまうわけですが、大人になってもその幼児性が抜けないケースがよくあります。
たとえば複数の友達と休日にどこかへ遊びに行くことになったとしましょう。
その際、ランチは何を食べようかという話になって、自分はラーメンを食べたいと思っていたのに、ほかのメンバーに反対され、多数決でパスタ屋に入ることになったとします。
幼児性の強い人は、自分の食べたいラーメンが食べられなくなったことにがまんができません。
とは言っても、友達相手にそのことでケンカをするわけにはいかず、腹を立てて帰ってきてしまうということも出来ずに、ふてくされた態度を見せるのです。
これは、欲しいものを買ってもらえない子どもとまったく同じ心理と言っていいでしょう。
子どもはすぐに駄々をこねるものですが、ふてくされる人は駄々をこねる代わりに、すねたような態度を取って見せているわけです。
ふてくされる人への対処法
自分の意思を言葉にしてしっかり伝える
すぐに不機嫌な様子を表に出して周囲の空気を悪くしてしまうタイプに対しては、つい甘やかしてしまう言動を取ってしまいがちです。
しかし、それでは図に乗って自分の意見が通らなかったり、思い通りに言葉運ばないたびにふてくされ、ますます扱いが面倒になってしまいます。
ただ、ふてくされているのであれば何か提示したい意思があったり、気にいらないことがあるのは確かです。
それをただ態度に出すのではなく言葉にして伝えて欲しいと、こちらの思いも正直に打ち明けるように心がけるのがポイントになります。
ふてくされるまでに至った状況を思い出して、自分はこう思うという主張をした上で、相手にもなぜこのような態度に出ているのかを尋ねてみるのです。
黙っているだけでは問題が改善しないこと、機嫌が直るきっかけすら失ってしまうことを冷静に話し、大人な対応を求めるようにしてください。
こちらが感情的にならずに言葉によるコミュニケーションを求めていることをきちんと伝えれば、ただふてくされた態度を取り続けることの無意味さを自覚しやすくなります。
相手を批判をすると余計に意固地になるので、状況改善のための提案に協力をして欲しいという言いかたをするのがポイントです。
あえて体調を気遣う
何か嫌なことがあってふてくされた態度を取っていることがわかっていても、いつもとは違う様子を見せ始めたら、あえて体調不良を気遣ってみるというのも1つの手です。
あくまでも心配をしているというスタンスで声をかけてあげるようにすると相手も悪い気はしませんので、何かに対して憤りを感じているのかと尋ねにくい場合には、身体の調子を尋ねる言葉をかけて相手の動向に関心を示しておきましょう。
ふてくされた人の気分を、少なからず向上させることができます。
隠そうとせずにわかりやすくふてくされた態度を取る人というのは、誰かに自分の変化に気がついてもらって構ってほしいという甘えた気持ちを持っているものなのです。
一言話しかけてあげるだけでも、これ以上の気分の悪化を防ぐことができますし、実際に体調が悪いわけではないことを理解していても、無理をしないでゆっくり休むようにすることを促しておけば大人しくなってくれます。
少し過剰なほど体調を心配してみれば、さすがにふてくされた本人も気まずくなるでしょう。
落ち着くまでその場を離れるなど、不機嫌を撒き散らしにくくなります。
いつも通り笑顔で接する
相手がふてくされていることに気がついても、特別接しかたを変えることなく、いつものように笑顔で対応するようにします。
ふてくされている人に触れず、放置してしまうのです。
構いすぎると調子に乗りますし、機嫌の悪さで八つ当たりをされてしまっては堪ったものではありません。
かといって、わかりやすく距離を置いて無視をするというのも大人の態度ではありませんから、ふてくされている様子を見せていてもいつも通り変わらない態度を取ることで、こちらは何も気にしていないことをアピールをしておきます。
普段と同じように話しかけても素っ気ない対応しかしてもらえないでしょうし、場合によっては辛らつな言葉をかけられたり無視をされてしまうかもしれません。
ですが、こちらもそれに腹を立てて対抗をしては余計に雰囲気を悪くしてしまうので、心を広く持って細かいことを気にしない、1人の機嫌が悪かろうが大して影響はないと、人間の大きさを示してどんと構えておくのです。
そのうち、ふてくされているほうが恥ずかしくなります。
機嫌の悪さはそう長続きするものではないため、時間が経てばいつもの態度に戻ってくれるでしょう。
すぐにふてくされる性格を直したい人がやるべきこと
謙虚さを身につける
すぐにふてくされるという人は、少々傲慢なところがあります。
世の中が自分の思い通りになって当たり前だと思ってしまう部分があるから、少しでも都合の悪いところがあると機嫌を損ねてしまうのです。
人生そうそううまくはいかないもの、ダメで元々なのです。
それは必ずしも誰かが悪いというわけではなく、9割くらいは運やめぐりあわせによるものであり、腹を立てたって仕方のないこと。
何かいい結果を得るためには自分が行動することが第一ではありますが、うまくいった時には「ラッキーだった!」と喜び、うまくいかなかった時には「たまたま運が悪かった」と割り切る気持ちも必要です。
また、もし普段から簡単にうまくいくことが多いというのなら、その陰にはいろんな人からの手助けがあります。
それを常に忘れずにしておけば、多少のことでふてくされることなど自然としなくなるはず。
周囲の人に対して感謝することで、ついふてくされそうになってしまっても、せっかくサポートしてくれている周りに迷惑をかけちゃいけない、と自分を抑えることができます。
こういった意識改革があなたのふてくされ癖を改善します。
自分で自分の機嫌をとる
子どものうちはふてくされても周りが機嫌をとろうとしてくれますが、大人になればさすがにそうはいきません。
自分の機嫌くらい自分でとるというのが一人前の大人。
もしふてくされそうになったら何とかして自分をなだめる習慣を作りましょう。
嫌なことがあっても楽しいことを考えたり、気分転換をしてみたり、人に頼りすぎず自分の力で自分の気持ちを立て直す術を身につけるのです。
例えば、学校や仕事で理不尽な目に遭ってついつい機嫌を損ねてしまった時に「今日の帰りに好きなお菓子を買って帰ろう」、「次の休みに温泉にでも行こう」というように、お楽しみを自分に用意してあげるというのはいかがでしょうか。
今日の自分には嫌なことがあったから、その分の埋め合わせを自分にしてあげるということで帳尻を合わせてみると不思議と気分も上向きになり、ふてくされ感情を引きずらずに済みます。
むしろ嫌なことがあったおかげでその分良い思いもできる!というくらいのポジティブ思考を持つくらいが丁度いいのかもしれません。
嫌な物事の方を向いて嫌な顔をするくらいなら、良い物事の方に向き直して楽しく過ごしましょう。
環境を変える
周りが慰めてくれたりなだめてくれたりするのに甘えてしまい、なあなあですぐにふてくされる性格を改善することができないという人。
その性格をなんとかしたいと思うのであれば思い切って環境を変えてみることも効果的です。
実家にいると家族が甘やかしてくれて、ついつい自分の感情を露骨に出してワガママ放題してしまうのなら一人暮らしをしてみると大きく自分を変えられます。
一人きりで生活すると全てがうまくいかないことだらけ、そしてふてくされているだけでは何も解決しません。
そういう状況下に身を置くことであなたのふてくされ根性は徹底的に叩き直されることでしょう。
友人関係で周りが気を遣ってくれるがばかりについふてくされ癖が染みついているというのなら、自分に厳しめのことを言ってくれる人とも仲良くするなど、交友関係を広げてみてください。
なかなかうまくコミュニケーションをとり続けることはできないかもしれませんが、そういった経験を通して自己主張の仕方を改善することができます。
ぬるま湯につかりっぱなしでは改善できないふてくされ癖は荒療治するに限ります。
ふてくされる態度は人を不快にさせる
いかがでしょうか。
すぐにふてくされる人は人望を集めにくいどころか、不愉快にさせたりします。
ふてくされるということは相手の言葉を受け入れておらず、納得が言っていないということです。
さらに、言いたいことも言わずに、ただブスッとふてくされているだけなので、未来の話もすることができず、とても無駄な時間を過ごすことになります。
子供がふてくされるのならまだ分かりますが、大人でこのような態度をする人間には要注意です。
自分の思い通りにいかない、言いたいことがあるのに言う勇気がない、そのうち誰かが助けてくれる、そういった様々な甘えがあるので、相手にするだけ無駄でしょう。
あなた自身がふてくされてしまうことがあるのであれば、大人には一切通用しないうえに信用を失ってしまうので決してやらないようにしましょう。
また、もしあなたの仕事が上手くいっていなかったり、職場での悩みがあるのであれば「仕事ができない人の特徴とその対処法9つ」もあわせて読んでみましょう。きっと今までの悩みや問題が一瞬で解決できるキッカケをつかむことができるはずですよ。