一貫性のある人の特徴と一貫性を保つ方法とは?
一貫性の意味とは、最初に発言したことや行為を最後まで貫き通すことです。
この心理を一貫性の原理と言います。
あなたは自分で一貫性がある方だと感じているでしょうか。
もし、感じていると思っていても人は意外とそうではない言動をたくさん取っています。
そこで今回は一貫性がある人の特徴と一貫性がない人の特徴をご紹介していきます。
ぜひあなたはどちらのタイプか確認しながらご覧ください。
また、一貫性を保つ方法についてもご紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。
【目次】
一貫性のある人の特徴とは
確固たる意見を持っている
一貫性があるということは、確固たる自分の意見を持っているということです。
こうと決めたらコロコロとそれを変えることはありませんし、他人にどういわれようとも貫き通すことができる強い意思を持っています。
途中で折れてしまったり、誰かに何かを言われたからといって諦めてしまうことがありません。
といっても、聞く耳を持たない頑固者といった感じではなく、自分にとって必要だと思った意見に関してはそれを取り入れる柔軟性も持っています。
するべきことを決める前にいろいろな意見を見聞きし、取り入れているからこそ最終的にどうするかをしっかりと決めることができるのです。
意見をただ主張するだけなら誰にでもできますが、それが本当に自分にとって正しいことなのか常に吟味していますし、他者の意見を真っ向から否定するだけではなくしっかりと聞くことができるからこそ、それでもなお自分はこうするべきだという意思を持って揺るがずにいることができます。
自分の言動には常に責任感を持っていますし、どういう結果を招こうと他者のせいにせず受け止めようとする覚悟があるからこそ、一貫性を保つことができるのです。
努力を惜しまない
こうと決めたことを実行するためには、時に困難が伴う場合も少なくありません。
ただ「こうしよう」と決めて意思を強く持つだけなら簡単ですが、それぞ実現させるためには相応に努力が必要になってきます。
他者とぶつかってしまうこともあるかもしれませんし、妨害を受けるかもしれません。
それでも一貫性を持って真正面から立ち向かっていくためには、意志の強さだけではなくそれに見合った頑張りが不可欠になってくるのです。
ですから、一貫性のある人というのは非常に努力家で、自身の主張を説得力のあるものにするためにさまざまなことをしており、時に孤独を感じる時にも怠ることがありません。
自分が行っていることを正しいと信じて突き進む強さと継続性がなければ、一貫性を保つことがでできないのです。
一貫性を持って進んでいくことで目標を達成した際の快感を知っている人であれば、迷うことなくその道を歩んで行くことができるでしょう。
しかしながらそのひたむきさが原因で頑固になり、他者を排除してしまうようなことがあると、視野が狭くなってしまいがちな危険性も孕んでいます。
適応能力が低い
一貫性がある人は環境の変化に非常に弱く、立場や状況が変わってしまうと適応するまでに時間がかかってしまいます。
自分がどう振る舞うべきか、どうすれば馴染んでいけるのかということをなかなか決められず、これまで通用してきたやりかたを貫こうとして失敗をしてしまいがちなのが玉に瑕です。
逆に、一貫性がないタイプはどんな状況でもただ流されるだけで適応していきやすく、場に馴染みやすいという特徴があります。
その正反対ですから、自分がどう行動するのが最善かということをまた一から考えていかなければならず、思うように動けなくなってしまうことが多々あるのです。
こうするべきだと方向性が決まってしまえば問題ないのですが、最初の一歩を踏み出し遅れてしまいますし、なかなか自分がするべきことがわからずに集団からはみ出た突拍子のないことをしてしまうということも少なくありません。
悪くいえば、一貫性のある人は非常に不器用です。
世渡りが下手くそなので浮いてしまうことがありますが、ただ、他者にどう思われようと自分は自分と割り切ることができる性格でもあるので、あまり本人は気にしていません。
一貫性がない人の特徴とは
人の意見に左右される
言うことがその時によって変わるのが、一貫性がない人ですが、それは人の意見に影響を受けるためにほかなりません。
一貫性がない人は、「自分はこう思う」という意見をもっていても、ほかの人と話をしていて、相手が別の意見を口にすると、「なるほど、そういう考え方もあるな」とすぐに納得してしまいます。
そして、そのテーマについて次に話すときは、影響を受けた人の意見に変わってしまうのです。
人の意見に耳を傾けるということは、もちろん良いことでしょう。
自分とは違う意見や考え方の人の言葉に耳を傾け、そちらの方が理にかなっていると思ったら、意見を変えることは間違いではありません。
誰しも人の意見を聞いて、自分の考えを改めるということはありますが、一貫性がない人は、その頻度が非常に多いのです。
あるテーマについて、Aさんの意見を聞くとそれに同調し、Bさんの考え方を聞くとそれに影響されてしまうため、同じテーマでありながら、言うことがしょっちゅう変化するということになってしまいます。
もともと自分の意見にそれほど自信がないためでもありますが、人に左右されやすく、言うことがコロコロ変わるのが一貫性がない人ということになるでしょう。
自分に甘く言行不一致
一貫性がない人には「自分に甘い」という特徴もあります。
たとえば、「今年は仕事でこういう目標を立てて、それを達成するために最大限の努力をしよう」と考えたとします。
多くの場合、一貫性がない人はかなり高いハードルの目標設定をするため、思うようにいかないことが少なくありません。
思ったようにいかないと、すぐにあきらめてしまうのが一貫性がない人です。
「最大限の努力をしよう」と言っていたにかかわらず、大して努力してもいない段階でギブアップしてしまうのです。
それでも、「まあ、しかたない」ですませてしまうのが一貫性がない人と言っていいでしょう。
自分に甘いために、努力をしなかった自分を許し、なんでも「しかたない」ですませてしまうため、何をやっても成長しません。
よく、「あの人は言うことは立派だけど、いつも行動が伴わない」という人がいますが、それがすなわち一貫性がない人なのです。
たとえば、一貫性がない上司は、部下に対して立派な訓示を垂れながら、自分はそれを実行しようとしません。
そこにも、部下には厳しいけれど自分には甘い、一貫性がない人の特徴があらわれていると考えていいでしょう。
相手によって態度や接し方が変わる
信念というのものがないのが一貫性がない人の共通点ですが、それが「相手によって態度が変わる」という特徴に結びつくと考えていいでしょう。
「自分」がしっかりと確立されていて、信念をもって生きていれば、相手によって態度を変えるということはしません。
誰と対面しても、自分のスタイルで相手と接することができます。
信念を持たない人は、そうはいきません。
たとえば、会社の上司にはこびへつらうような態度をし、ゴマをすったりお世辞を言ったりするくせに、後輩に対しては上から目線の高飛車な態度を取る人がいるでしょう。
相手の性別によって、態度が変わるという人もいますが、プライドが高く、信念をしっかり持っていれば、そのように相手によって態度を変えるということはないはずです。
一貫性がない人は、精神的に自立できていないケースが多く、相手に合わせてしまうことが少なくありません。
相手によって態度が変わるのも、相手に合わせるためと考えていいでしょう。
自分よりも強い相手には下手に出て、自分よりも弱い立場や下の立場の人には、その力関係に見合った上から目線の接し方をするわけです。
一貫性を保つ方法とは
感情をコントロールする
一貫性を保っていく上で最も邪魔になるのは、実は自分の感情であることを知っているでしょうか?
何か目標に向かって突き進んでいるとき、つい迷ってどうすればいいのかわからなくなるといった現象も、そのほとんどは感情の揺れが原因です。
よく「心はホットに、頭はクールに」と言いますが、一貫して物事を推し進めていくためには、何よりも自身の感情をコントロールすることが重要でしょう。
では、具体的にどのようにして感情のコントロールをしていけばいいのでしょうか?
人間には大なり小なり感情の起伏がありますから、それを完全に消してしまうことは不可能です。
したがって、ありふれた方法ではありますが、やはり「こまめに気分転換をはかる」ことが最も無難で効果的になるでしょう。
小さなミスに気をとられすぎてイライラし、ストレスをどんどん溜め込んでいくようでは、決して一貫性を保つことはできません。
どんな取り組みをするときでも、集中すべき場面では集中し、気を抜いてリラックスするべき場面では思い切って心も頭も休めることが大切です。
そして一貫性を保ちつつ、目標に向かってストレートに進めるよう努めましょう。
細かい点を軽視しない
何だかもっともらしく喋っているけど、あの人の言うことは結構穴だらけだ…
あなたの近くにも、ひとりぐらいは思わずそう感じてしまう人がいるのではないでしょうか。
たとえどれだけ自分で一貫性が保てていると確信していても、近くにいる人がそれを認めてくれなければ何の意味もありません。
そういった意味で、自分の考え方にどこか穴がないか常に注意を払うことは、非常に重要な作業になるといえます。
これくらいの矛盾は放っておいても大丈夫だろう…という甘えが、一貫性崩壊の最大の原因となるわけです。
他人に自身の一貫性を示すためには、何よりも論理がしっかりしていなくてはなりません。
口先だけでどれだけ誤魔化そうとしても、小さな論理矛盾が積み重なっていれば、簡単にそれを見抜かれてしまうからです。
そうなってしまえば、一貫性も何もあったものではありません。
もちろん完璧に一貫性を保つことは容易ではありませんが、それでも「細かい点を軽視しない」意識によって、より完璧に近づけるのは可能です。
時間があるときは常にそういった点について考えるクセをつけ、もしも自身がブレているなと感じた場合は、その度に修正をしていく必要があるでしょう。
信念を持つ
人が一貫性を保とうとする中で、それを最も難しくしている原因とは何でしょうか?
その原因は、ズバリ「第三者からの批判」にあるといえます。
どれだけ自分では正しいと考えていても、そこには必ず批判を浴びせてくる人が現れるからです。
ですが、本気で一貫性を保ちたいと思っているのであれば、第三者の批判に対して簡単に折れるようではいけません。
もしも簡単に折れてしまえば、一貫性を保つことはたいへん難しくなり、最悪の場合は日和見主義に陥ってしまう可能性すらあるのです。
そして、そんな状況に追い込まれないために大切になるのは、何よりも「確固たる信念を持つ」ことだといえます。
もちろんそれは、どんな意見に対しても全く聞く耳を持たないという意味ではありません。
優れた提案はどんどん採用すべきですし、他人に対して敬意を払うことも非常に大切です。
ただし、自身の考えの根っこの部分だけは変えてはいけません。
どうしてかというと、そこを妥協してしまえば、もう一貫性を保つことが不可能になるからです。
根っこの部分には確固たる信念を持ち、そこに対しての批判にはハッキリNOといえることが、一貫性を保つ上では最も重要になるでしょう。
一貫性に欠ける行動はしないようにする
いかがでしょうか。
一貫性が欠けた行動を取ってばかりいると、信頼を失ってしまいます。
人に対してはああ言ったのに、自分はそれとは別のことをやっている、なんてケースは論外です。
しかし、多くの人は一貫性を意識していないので、しばしばこのようなことが起こりがちです。
よくある場面は、上司と部下とのやり取りでしょう。
部下に対しては規律を守って、手順を踏んで仕事をすることを強制しますが、上司はその手順を踏まず楽な方法で仕事をするというのが分かりやすいですね。
もしあなたの上司がそうだったらどう思うでしょうか?
信頼できないどころか、上司の言葉は何も響かなくなり、そういった行為が続くと嫌悪感すら抱くようになります。
大切なことなのでもう一度言います。
無意識に人は一貫性のない発言や行為をしています。
それを言われた方、やられた方はしっかりと覚えていることを忘れていけません。
一貫性というのはそれだけ重要な要素になるのです。
また、もしあなたの仕事が上手くいっていなかったり、職場での悩みがあるのであれば「仕事ができない人の特徴とその対処法9つ」もあわせて読んでみましょう。きっと今までの悩みや問題が一瞬で解決できるキッカケをつかむことができるはずですよ。