謙遜する人の心理とは?上手な褒め方をご紹介!

あなたは謙遜することが多いでしょうか。

むしろ「俺が俺が」と全面的に自分を押し出す人は少ないはずです。

謙遜することは美しい振る舞いだと日本では認識されているからです。

しかしそれだけではありません。

そこで今回は謙遜する人の心理をご紹介していきます。

また、そんな謙遜する人のことを嫌いだと思う人もたくさんいます。

その理由はなぜなのか、そして謙遜する人にはどういう褒め方が適しているかも解説していきます。



謙遜の意味とは

謙遜とは、むやみやたらに自己主張せず、控えめな態度をとることです。

相手から褒められた時などに「そんな、とんでもないです」と慎ましく振舞うことを謙遜すると言います。

ではどうしてそのような態度をとるのか、その心理を見ていきましょう。

謙遜する人の心理

自己評価が低く賛辞を受け入れられない

他者から褒められたり能力を認められることは誰にとっても嬉しいことではありますが、自己評価が低いタイプは賛辞を素直に受け入れることはできません。

いつもどこかで「自分はまだまだ及ばない」という気持ちを持っているので、褒められたことや認められたことに対して、言葉通りのことを受け止められないのです。

あまりにもネガティブすぎることは、自分を評価してくれた他者に対して失礼になってしまうということがわかっているものの、賛辞を肯定すれば自分自身の能力が他者を納得させられるものだったということを認めることになります。

しかし、自分が周囲の人達よりも劣っていると思い込んでいるので、たまたま褒められる機会を得ることができたものの偶然に過ぎない、この次はないと考えており、謙った態度を取ってしまうのです。

もっと自分に自信を持つことができればいいのですが、他者からのそうした言葉はそのための材料にはなりません。

他者から見て十分に優秀な人であっても、自分で定めた目標をクリアしたり、こうありたいと理想に到達しない限り、いつまでも自己肯定感が低いままで、謙遜するしかないのです。


他人に嫌われたくない

褒められたり認められたいという気持ちは、多かれ少なかれ誰もが持っている欲求ではありますが、それを自慢をする人は敬遠されてしまいがちです。

自分は凄いだろう、素晴らしいだろうとわかりやすい態度を取り自慢話ばかり披露するタイプは、承認欲求が大きく、あまり近寄りたいとは思われません。

それがわかっているので、謙遜をする人は自慢げな振る舞いで他者から嫌われてしまわないように、褒め言葉を否定するようにしています。

謙遜は自分は決して驕らない、他者から一目置かれる人物などではないというアピールの1種なのです。

ただ、自慢できるような自分を自覚した上でわざと謙遜をするというタイプも少なくありませんので、謙遜自体が自慢になっているというケースも見られます。

「自分なんて」という態度を取りながら、それをさらに否定してもらうことで褒めてほしいという自己愛を満たしたいのです。

謙遜の仕方が上手い人は心の奥を隠すことができますが、下手をしてしまうとそんな欲求が相手にも伝わってしまうことになり、自慢話ばかり振り撒く人のように嫌われてしまいます。

あまり注目されたくない

人とコミュニケーションを取ることが苦手で、下手に注目されることが嫌いなタイプは、控えめな態度で集団に埋没する自分に安寧を得ています。

物事の中心になることがないように常に集団の隅のほうにいたり、自分から積極的に発言をするようなこともせず、言われたことだけ淡々とこなしていることで安心できるタイプです。

謙遜は影キャラに徹するための武装のようなもので、誰かに関心を向けられて個として認識されないように、面倒ごとに巻き込まれないための振る舞いの1つになります。

そうした態度が過小評価に繋がりがちですが、それこそが狙いなのです。

なるべく他者と関わりを持ちたくないからこそ静かに、他者の印象に残らないように謙った態度で人付き合いをこなしていくことが、本人にとっては重要になります。

実際、優秀な能力を持っている人は少なくないものの、何か期待をされて多くの人と関わる機会を持つことになったり、責任の伴う物事を任されるようなことがあっては面倒で仕方がありません。

1人が好きで、誰かと関わりを持たなければならない時にはいかに目立たないか、心穏やかに過ごせるかが大切なのです。


謙遜する人のことが嫌いな理由

本心がわからないから

本心がわからないからつきあいにくいというのが、謙遜する人が人から嫌われる理由と考えていいでしょう。

たとえば、職場にすぐに謙遜する人がいるとします。

その人に「あなたはほんとうに仕事が早くて正確ですね」とほめた場合、「いや、私なんてたいしたことありませんよ。つまらないミスもけっこうしますし」と答えるのが、謙遜する人です。

その答えを聞いた人は、「あんなに仕事ができるのに、本心から『たいしたことない』と思っているのだろうか」と疑問に感じるに違いありません。

そして、「実は自信満々で、腹の中では『自分は誰よりも仕事ができる』と思っているのかもしれない」と考えるわけです。

同じように「仕事が正確ですね」とほめた時に、「ありがとうございます」とすなおに喜んでくれれば、そんな疑問を感じる必要はないでしょう。

つまり、謙遜する人は、その本心がわかりにくいのです。

心の中ではまったく違ったことを考えているにも関わらず、表面上謙遜して見せているだけなのか、本心からそう思っているかわからない人とは、なかなか打ち解けることができません。

謙遜する人は、人に本心を見せようとしないため、付き合いにくいところがあるのです。


強い自己愛が透けて見えるから

日本人には「謙譲の美徳」という意識があります。

へりくだること、自己主張をしないで人よりも一歩引いた言動をすることを美徳と考えるのが、古くからの日本人の意識と考えていいでしょう。

謙遜する人は、その意識を強く持っています。

つまり、「自分は謙譲の美徳を具えた人間である」という自覚を、はっきり持っているのです。

謙譲の美徳を具えていることは、自分にとっての大きな長所であるという自覚をもっていて、「そんな自分が好き」と思っているのが、謙遜する人と言っていいでしょう。

心の中では「自分のことが大好き」と思っていながら、それを隠して謙遜して見せる人と接すると、その自己愛が見え透いてしまうことが少なくありません。

人間だれしもへりくだるということはありますが、誰に対しても、いつでも謙遜する人は、「そんな自分が好き」という意識をもって、意図的にそうしているように見えることがよくあります。

そして、実際に意図的にそうしているケースが少なくありません。

人から強い自己愛を見せつけられるのは、決して心地いいものではないでしょう。

そのため、謙遜する人は、ほかの人から嫌われてしまうわけです。


自分も謙遜しないといけなくなるから

謙遜する人は、たとえば大勢での会食の際に、上座を人から勧められても、決して上座に座ることはありません。

たとえ、参加者の中の最年長であって、それを理由に勧められても固辞するのが、謙遜する人です。

「いえいえ、私なんて、すみっこの席でけっこうです」と断られ、「あなたが上座に座ってください」と逆に勧められたとしたらどうでしょう。

「そうですか。では、遠慮なく」と、平気な顔で上座に座るわけにはいかないに違いありません。

これは、どんなシーンでも同じです。

友達が着ている服のことを「すてきね。よく似合ってるわよ」とほめた時、謙遜する友達は「そんなことないわよ。安物だし」と答えます。

そして、「あなたこそすてきな服を着てるじゃない」とほめ返してくるのですが、そう言われたら、同じように「とんでもない。私のこそ安物よ」と答えざるをえないでしょう。

つまり、謙遜する人とつきあっていると、相手に合わせてこちらも謙遜しなければならなくなるのです。

それは、「こちらも謙遜しないと、不遜な人と思われてしまうだろう」と考えるためにほかなりません。

そのように余計な気を使い、自分も謙遜しないわけにいかなくなるというのも、謙遜する人が嫌われる理由と言っていいでしょう。


謙遜する人への褒め方

何度も褒める

日本人は褒められると謙遜するのが美徳だと思っている人が多いですが、過度に謙遜してしまう人も中には見られます。

こういった人は、自分に自信がないのが原因で、過剰に卑下してしまっているのです。

褒められてもその言葉を素直に受け入れることができず、すぐに否定をしてしまいます。

こちらが本心で褒めていても、疑っていて褒め言葉を信じようとしません。

このタイプを褒める時は、自信を持たせるような褒め方をすることがポイント。

褒め言葉を否定された時は、「そんなことないよ」「自分は本当にそう思っているよ」と強めに返答するのがコツです。

さらに、表現を変えてより詳しく褒め直すようにします。

褒め言葉が具体的であればあるほど、お世辞に聞こえにくく、良い印象を与えられます。

こうすると、本心から褒めていることが相手に伝わり、素直に受け止めてくれるようになります。

コンプレックスが強い人ほど否定する力が強いので、1度褒めただけでは態度が変わることはありません。

嘘で言っているわけではない、と信じ込ませるように、その後何度も同じことを褒めると次第に態度が軟化していくはず。

褒める回数を増やすことで、慣れさせるのが大事なのです。


小さなことを褒める

謙遜する人の中には、自己防衛のために行っている人もいます。

容姿が優れていたり、勉強がよくできたりする人は、子供の頃から嫉妬の対象にされてしまいます。

陰口を言われたりいじめを受けたりと、ネガティブな経験をしていているため、それを回避するために謙遜を行っているのです。

このタイプは謙遜し慣れているのが特徴で、褒められても笑顔で上手にかわすクセが身についています。

あまり知らない人の前では謙遜をしますが、本当に信頼している人の前では褒め言葉を素直に受け取るので、日頃から信頼関係を築くことが有効です。

初対面の場合は、人から指摘されないような、小さなことを褒めるのがポイント。

容姿や成績などその人の分かりやすい長所を褒めると、すぐに警戒されてしまいます。

容姿ではなくセンスを褒めたり、人をさりげなくサポートできる気遣いを褒めたり。

本人が気づかないような小さなことを褒めることで、「他の人とは違う視点を持っている人だ」と興味を持たせることができます。

また、上辺で人を判断しない人だと思わせることができ、信頼関係を築くきっかけを作ることができます。

本人がいないところで褒める

上級テクニックの褒め方になりますが、本人がいないところで褒めるのも、上手な方法です。

面と向かって褒められると、恥ずかしさがあったり、猜疑心があったりして、言葉をそのまま受け止められないことが多くあります。

しかし、他人に対して自分のことを褒めている場合は、本当に自分のことを評価しているんだ、とすんなり理解できます。

直接褒められると謙遜してしまう人でも、他人を介して間接的に褒め言葉を聞かされると、素直に受け止めることができるのです。

また、褒められた時の嬉しさも、直接言われる場合よりも倍増し、褒めてくれた相手に好感を持つようになります。

仕事の場面では、モチベーショの向上に役立つので、謙遜する部下を持つ上司におすすめな方法です。

ただし、第三者から本人の耳にきちんと届くかどうかが不確かなのが、短所。

確実に本人に聞かせたい場合は、信頼できる人に「自分がこう言っていたと伝えておいて」と頼んでおく必要があります。

伝える内容はシンプルにするのがコツで、長々と大げさな内容を伝えると嫌味っぽくなったり嘘っぽくなったりするので、注意をしましょう。


謙遜しすぎはうざいと思われる

いかがでしょうか。

謙遜することは美徳だと言われていますが、謙遜しすぎるのも考えものです。

時には相手からの賞賛や褒めを素直に受け入れることも重要なのです。

あなたが心からすごいと思ってそれを伝えても、相手が「いやいや、大したことないです」ぐらいしか言わなかったらそれ以降の話が続かないですよね。

もっとその話を聞きたいと思っているのに、何も情報を教えてくれず謙遜ばかりしている人をどう思うでしょうか。

自慢話になってしまうのは良くありませんが、適度なコミュニケーションを放棄するような謙遜しすぎは今後の関係にも影響を与えてしまうので注意しましょう。

また、もしあなたの仕事が上手くいっていなかったり、職場での悩みがあるのであれば「仕事ができない人の特徴とその対処法9つ」もあわせて読んでみましょう。

きっと今までの悩みや問題が一瞬で解決できるキッカケをつかむことができるはずですよ。



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