事なかれ主義の4つ心理と改善方法とは?
事なかれ主義とは、今ある問題を見て見ぬふりをしたり、あえて手をつけずに様子を伺うような人を表します。
そして誰かがその問題を解決するまで放っておいたりすることもよくあります。
問題を解決したい側にとっては迷惑極まりない話ですが、現実としてこのような人たちは数え切れないほど存在します。
いったいどんな理由でそのようなスタンスなのか気になる人もいることでしょう。
そこで今回は事なかれ主義の心理や改善方法についてご紹介していきますので、ぜひあなたやあなたの周りの人に当てはまるかどうか確認しながら最後まで御覧ください。
事なかれ主義の心理
問題対応能力に自信がない
すでにトラブルや問題が発生しているにも関わらず、それを隠蔽しようとする事なかれ主義の人の心理の一つが、「問題対応能力に自信がない」ということです。
現在起きているトラブルや問題に関して、自分が当事者である場合は、その処理に当たらなくてはなりません。
問題を解決するために、何らかの対応をする必要があるわけです。
経験豊富で、臨機応変の対応ができる能力が自分にあるという自信があれば、事態を隠さず、問題解決のための対応に乗り出すことができるでしょう。
事なかれ主義の人は、その自信がないのです。
「経験がなく、どう対応したらいいかわからない」というケースと、「問題が大きすぎて、自分の処理能力ではとうてい対応しきれないと判断している」というケースがありますが、いずれにしても、「自分には無理」と考えるわけです。
いくら「自分には無理」と思っても、自分が関わらざるを得ない問題である以上、とにかくその対応には当たらなくてはなりません。
しかし、自信がないために腰が引けてしまい、起こっている事態から目を背けていようとするのが、事なかれ主義の人の心理なのです。
当事者意識が希薄
起こっている問題に対し、経験がまったくなく、自分の能力にもそれほど自信がなくても、強い責任感のある人は事なかれ主義にはなりません。
「問題を解決できるか自信はないけれど、自分は当事者なのだから、問題に対応する責任がある」と考えるため、勇気をもって事態に対応することができるわけです。
事なかれ主義の人には、そうした責任感がありません。
というのも、「当事者意識が希薄」という心理を持っているからです。
例を上げましょう。
会社のあるセクションに大きな対外的トラブルが発生したとしましょう。
トラブルの原因が一人のメンバーにあったとしても、対外的なトラブルである以上、そのセクションのリーダーは、問題解決のために対応する責任があります。
部長であれ課長であれ、リーダーであるからには、直接トラブルの原因にはなっていなくても、その責任を取る務めがあると考えていいでしょう。
ところが、事なかれ主義のリーダーは、「トラブルを起こしたのは自分ではない。トラブル処理はその原因となった人がすべきだ」と考えてしまうのです。
まちがいなく当事者であるにも関わらず、その意識が希薄で、危機意識を持てないのが、事なかれ主義の人の一つの心理的特徴と言っていいでしょう。
自分が傷つくのが怖い
事なかれ主義者の抱く心理の一つが「恐怖」です。
起こっている問題が表面化し、それが人から責められたときのことを想像し、そうした事態を「怖い」と感じ、「避けたい」と思うために、問題を隠蔽してしまうのです。
大変臆病な心理ですが、こうした心理を持つ人には、自己愛が強いという特徴があります。
自分のことが大好きで、自分が傷つくことを怖れるのです。
この場合は、当事者意識ははっきりあります。
自分にはその問題解決に当たるべき責任があることもわかっています。
先ほどの例で言えば、「部下の起こしたトラブルでも、自分はリーダーとして責任を取らなければならない」ということはわかっているのです。
にもかかわらず、「対応した時、トラブルを起こして迷惑をかけた先方から責められ、傷つきたくない」という心理が働いてしまうために、問題を隠蔽してしまうのが、事なかれ主義の人の心理と考えていいでしょう。
この心理を持つ人は、つい責任転嫁をしてしまいがちですが、その目的はあくまでも「自己防衛」です。
自分が傷つかないように、人に責任を押し付けるわけです。
そこにあるのは「恐怖から逃げたいという心理」と考えていいでしょう。
他人と摩擦を起こしたくない
事なかれ主義は基本的に他人と面倒を起こしたくない気持ちが強いです。
その心理としては、やはり何事も穏便に過ごしたいというものからきています。
相手にも嫌な思いをさせたくないですし、自分も嫌な思いをしたくありません。
例えば会議のときなどは、その心理が強く出る傾向があります。
しっかりと自分の意見を持っていて、相手の話に納得ができない場合があったとしても、その人との関係を壊したくないといった思いから、その意見を押し殺して何も言わずに同調するといったケースです。
本来の会議であれば、議論することが目的で集まっているので、お互いの意見をぶつけることは何も問題ありません。
しかし、何故か議論をして反対意見を言われると相手の人格すら否定したり、嫌いになったりすることが多々あるため、事なかれ主義はそれを未然に防ぐために、自分の意見は言わないのです。
事なかれ主義を改善する方法
本気になって物事に取り組む
事なかれ主義になってしまう原因は本来の目標を見失っていて、周りの人との関係だけを重視しているからです。
もちろんそれが人生の幸せだと感がているのであれば、そのままでいいでしょう。
しかし、「もっと出世したい」「もっと結果をだしたい」「もっと認められたい」といった思いがあるのであれば、やはり事なかれ主義から脱却しなければいけません。
上記の会議の例を出しましょう。
相手の意見が自分と違うとき、相手に嫌われたくないという気持ちで同調してしまうのは、何のための会議かを全くと言っていいほど理解していません。
会議をする理由は、何かを改善しようとしたり、目標達成をしようとするからです。
それを理解していれば、議論を交わして様々な意見が飛び交い、その結果ソリューションにつながることが本来の目的になることが理解できるでしょう。
その前の段階、つまり人間関係を気にしてしまう時点であなたはその仕事に対して前向きではないですし、本気にもなっていません。
会議に出るのだってお金がかかっていますので、それであれば他の仕事をやっていて、別の人に会議に出てもらったほうがよっぽど生産的でしょう。
事なかれ主義を改善したいなら、本来の目的を見出して行動することが必要不可欠です。
目的を見いだせないのであれば、目標を見つけられるよう環境を変えるか、生産性を維持できるようあなたはそういった場にいかないようにするべきでしょう。
意見を言いやすい方法で伝える
みんなの前で意見を言うのは慣れていない人にとってはとてもハードルが高いものです。
だからこそ自分の意見を言えずじまいになってしまうこともしばしばあることでしょう。
そんなときは自分なりの方法で伝えることを模索してみましょう。
会議が終わった後にその人に伝える・上司に直接伝えるなどが一般的です。
ただし相手によっては「どうしてあの場で言わないだよ」と思われたり、時間が経ってから伝えたら「なんで今さら言うんだよ」なんてことにもなりかねません。
なので、もし伝えるのであればすぐに伝えるのが基本原則だと覚えておきましょう。
この方法は相手にきちんとその意図を理解してもらわないと伝わりにくいです。
「みんなの前で言うのは苦手だから」「目標を達成するためには・・・」と前置きをしてから伝えるだけでも受け入れてくれる確率は大幅にアップするので、1つのテクニックとして活用することをおすすめします。
事なかれ主義にはメリットとデメリットがある
いかがでしょうか。
事なかれ主義で良いと思っている人もいれば、それじゃあ駄目だ!と思っている人もいます。
一概にどちらが良いとは言えないのが難しいところでしょう。
このまま現状維持で問題を起こさずに進めたいといった空気がある環境であれば事なかれ主義のままのほうがメリットがあります。
その逆に、このままではジリ貧だからなんとかしなければ!といった空気の環境であればデメリットになります。
あなたが本来求めていることと、環境が真逆であれば早急に変える必要があります。
環境を変えるのもいいですし、自分自身を変えるのもいいでしょう。
1つだけのやり方しかないわけではないので、色々と検討してみて行動すると大きな失敗は防ぐことができます。
また、もしあなたの仕事が上手くいっていなかったり、職場での悩みがあるのであれば「仕事ができない人の特徴とその対処法9つ」もあわせて読んでみましょう。きっと今までの悩みや問題が一瞬で解決できるキッカケをつかむことができるはずですよ。