オウム返しがうざい理由とオウム返しをする人の心理とは?
オウム返しとは、相手がいった言葉をそのまま返事として使うことです。
会話中のオウム返しの使い方は、相手の言葉の最後の部分を切り取って、使われることが多いでしょう。
「〇〇で、△△だから、□□するんだ」
と言われたら、
「□□するんだ」
と返すということですね。
このオウム返しは会話のテクニックとしてよく知られていますが、万能というわけではありません。
むしろ嫌悪感を持つ人もいます。
そこで今回はオウム返しがうざい理由とオウム返しをする人の心理についてご紹介していきますので、ぜひあなたやあなたの周りの人に当てはまるかどうか確認しながら最後まで御覧ください。
【目次】
オウム返しがうざい理由
「聞き上手になろう」という意図が露骨に見えるから
「話し上手な人は聞き上手」という言葉があります。
たしかに、人の話をうまく聞き出すことができる人は話し上手ということになるでしょう。
少し前に、こうしたコミュニケーション術が話題になったことがあり、その時に「有効な聞くテクニック」として取り上げられたのが「オウム返し」でした。
会話をしている相手が、たとえば「あの時はほんとうに大変でした」と言ったら、「それはほんとうに大変でしたね」と、相手の言葉をなぞってそのまま返すという会話のテクニックです。
上手にコミュニケーションを取るには、そうしたオウム返しも、時には役に立つテクニックではあるでしょう。
「会話の隙間」を埋める手段として、上手く使えば有効に機能するにちがいありません。
しかし、だからと言って、なんでもかんでもオウム返しさえすればいいというわけではありません。
そのあたりのことがよくわかっていなくて、「とにかくオウム返しをすれば、聞き上手になれる」と思い込んでいる人のオウム返しは、会話する相手を不快な気持ちにさせるものです。
「私はこんなふうにオウム返ししてます。だから私は聞き上手なのです」という意図が見え見えであるために、「オウム返しはうざい」と感じられてしまうわけです。
「共感アピール」がわざとらしいから
オウム返しという会話のテクニックには、「私はあなたの話に共感していますよ」とアピールできるということがあります。
「寒いですね」と言われて「ほんとうに寒いですね」と答えれば、「相手と同じ寒さ」を共有しているということになるでしょう。
たとえば、職場の同僚が「エアコンの温度設定が高すぎて、暑いよね」と言った場合、「ほんとうに暑いですよね」と言えば、温度感覚が似ているというアピールになります。
オウム返しにはそうした共感力のアピールという効果があるわけです。
ですから、適度にそれを使えば、相手に対する共感のアピールができるにちがいありません。
しかし、オウム返しをする人は、なんでもかんでもオウム返しにして、共感していることをアピールしようとしてしまいます。
「私はあなたと同じ感性、同じ考え方の持ち主ですよ」ということを、オウム返しすることによって相手に伝えようとするわけです。
しかし、オウム返しにされるほうは、「自分に気にいられようとして、共感アピールをしているのだ。心の中ではちがう感想を抱いているのかもしれない」というように解釈することでしょう。
そういうあざとさ、わざとらしさが「うざい」と思われる理由にほかなりません。
いい加減に聞き流されている気がするから
自分の話を聞いている相手が、オウム返しばかりしていると、「この人は自分の話をいいかげんに聞いているのではないだろうか」という気になるに違いありません
「この間ひどい目にあったよ」と言えば、「それはひどい目にあいましたね」、「うちの子どもが反抗期で困ってるんですよ」と言えば、「反抗期は困るものですよね」、「こんな思いがけない偶然があったんですよ」という話には、「それは、思いがけない偶然でしたね」というようにオウム返しされたとしましょう。
ほんとうに相手の話に興味があったり、強い関心をもっていれば、そうしたオウム返しはしないに違いありません。
たとえば、「ひどい目にあった」という話を聞いたら、「それからどうなりました?」というように話を展開させていくのが、興味のある話に対する対応と言っていいでしょう。
「それはひどい目にあいましたね」とオウム返しするのは、そこから先のことに関心がない証拠なのです。
話をしている相手が、そのようにオウム返しを繰り返すために、自分の話に興味がなさそうに感じられるというのが、「オウム返しはうざい」と感じる理由の一つということになるでしょう。
会話でオウム返しをする人の心理
親近感をもたせたい
オウム返しを繰り返す人は、相手との距離感を縮めたいと考えています。
なぜなら、人は自分が言った言葉をそのまま返されると、ある種の安心感をもつからです。
きちんと聞いているという証拠ともいえるオウム返しは、親近感をもたせる心理的効果があるのです。
オウム返しといってもいくつかパターンがあり、相手が最も伝えたい言葉を抜粋して強調させる方法が効果的といえます。
特に感情的な言葉を使った時、それを繰り返してあげることにより、共感を得ていると相手が感じやすいのです。
ポジティブであってもネガティブであろうとも、強い感情が伝わってきた場合、オウム返しをして同調することが親近感を与えてくれます。
長時間になるほど、親近感を感じる頻度が高くなり、結果的に相手との会話がスムーズに進んだという印象ももたらします。
適当に会話を聞き流しているだけでは、相手の気持ちに沿った返答をすることはできないので、オウム返しは相手への思いやりをもった行動です。
もっと詳しい話を聞かせて欲しい、何が言いたいのか教えて欲しいなどの心理が、オウム返しをさせる本音だといえます。
内容が難しくて返事しかできない
相手が話している内容が難しすぎて、理解できないということもあります。
その場合、相手に失礼のないよう配慮しながらも、丁寧に返事だけをするというオウム返しを使うのです。
友人や知人が相手であれば、難しいから別の話題にして欲しいと言えますが、上司や取引先の人なら言い出せません。
悪気はないのですが、この話題が早く終わればいいなと願いつつ、相手が全て話し終わるまで相槌を続けるしかないのです。
それほど親しくない人との会話で、内容が理解できない場合は、オウム返し状態になるのはよくあることです。
意見を聞かれると何も答えられないため、必死で相手が言った言葉を繰り返し、間が空かないように詰めるという心理ですね。
精神的プレッシャーがかかりやすいため、長時間になるとパワーを消耗するので、何とか短時間で終わらせようとする傾向も見られます。
最後になってどう思うのかと意見を求められた時、何も答えられず、相手に不信感を抱かせてしまう心配があるからです。
ですから、内容が理解できない場合のオウム返しについては、かなり慎重になっている心理状態といえます。
自分の意見を言ってはいけない
オウム返しをする癖がある人のうち、少なからず幼い頃に植え付けられた強迫観念をもっている傾向があります。
例えば、両親の言いつけは絶対であり、口答えや自分の意見を述べることが許されなかったなどの環境です。
まだ人格形成ができていない時期に、自由に自分の意見を伝えることができなければ、成人してからも意思を抑圧する癖が残ります。
また、子供の頃に植え付けられた強迫観念だけでなく、大人になってから痛烈な痛みを心に抱えた場合も、同様の癖がつくこともあります。
過去に恋人に意見を言ってフラれたとか、友人関係にヒビが入るなどの、苦々しい経験をした時です。
あの時、自分の意見など言わなければ良かったと、後悔する気持ちがオウム返しをするきっかけになったのです。
争い事や哀しみに繋がる恐怖心と、自分の意見を言ってはいけない強迫観念により、オウム返しをする癖をもつ人も少なくありません。
意図的に行っているわけではなく、誰かが話を始めると反射的に聞き役に回り、意見を言わずに返事だけをする行動にでてしまうのです。
この場合のオウム返しは潜在意識下によるものですから、カウンセリングを受けるなどの方法を試さない限り、容易に改善できないといえます。
会話中のオウム返しは効果的だけど相手による
いかがでしょうか。
オウム返しのテクニックは相手によりますが、会話を盛り上げたり、相手への共感を伝えるにはとても効果的です。
しかし、それをウザいと思う人も少なくないため、多用するのは慎重にならなければいけません。
使う相手は、おしゃべりな人であったり、あなたから話をしない環境(接客中など)で使うのがいいでしょう。
相手も気持ちよく話してくれるはずです。
それ以外の環境では一先ず乱用はせず様子見をして、大丈夫だと判断したときだけ使うようにするのが無難です。
また、もしあなたの仕事が上手くいっていなかったり、職場での悩みがあるのであれば「仕事ができない人の特徴とその対処法9つ」もあわせて読んでみましょう。きっと今までの悩みや問題が一瞬で解決できるキッカケをつかむことができるはずですよ。