慎重な人の心理的な特徴とは?長所・短所・仕事もご紹介!
慎重とは、何も考えずになんでもかんでも行動するのではなく、しっかりと地に足をつけ、考えを巡らしてから次の行動に移すことをいいます。
なぜか慎重な人は、意気地がない、チャレンジ精神がない、と悪い意味で言われることも少なくありません。
その挑発に乗って慎重さを忘れ、無謀になってしまったら、あなたが想像もつかないようなトラブルに巻き込まれてしまうこともあるでしょう。
つまり、一度立ち止まって考えてから行動することはとても重要ということです。
そこで今回は、慎重な人の特徴や長所・短所についてご紹介していきます。
ぜひあなたに当てはまるかどうか確認しながらご覧ください。
【目次】
慎重な人の心理的な特徴とは
臆病で間違った判断をすることが怖い
慎重な性格の人には「臆病」という心理的特徴があります。
たとえば、仕事に関することである判断を下す必要が生じたとしましょう。
AかBか、2つのうち1つを選ぶという判断です。
慎重な人はその判断を下すのに人一倍時間がかかるわけですが、そこには「間違った選択をして、後悔したくない」という心理が働いていると考えられます。
Aを選択し、それを実行したために仕事がうまくいかなくなれば、「あの時、Bを選んでおけばよかった」と後悔するに違いありません。
人間は、間違った選択をして後悔することがしばしばあるものですが、慎重な性格の人は、自分がそうなることが怖いのです。
実際に、仕事で間違った選択をすれば、自分の業績に悪い影響を与えるに違いありませんし、場合によっては上司から叱責されることもあるでしょう。
慎重な人は、そうした「起こるかもしれない悪い事態」をあれこれ想像してしまいます。
大きなテーマになればなるほど、何を選択したらよりリスクが小さくなるかを判断することがむずかしくなるに違いありません。
「失敗したくない。間違うのが怖い」という心理が働くために、なかなか結論を出すことができないのです。
熟考することが好き
考えることが好きというのも、慎重な人の心理的特徴と言っていいでしょう。
慎重な人は結論を出すまでに長い時間がかかってしまいますが、単に結論を先送りにしているわけではありません。
その場で判断することをせず、結論を先送りにする人は、優柔不断なのであって、慎重とは言えないのです。
慎重な人は違います。
判断を先送りにしようという意識を、慎重な人はもっていません。
ものごとについて、じっくり考えた上で判断をしたいという心理を持っているために、結果として結論を出すのが遅くなるのです。
ですから、判断するまでにかかる長い時間の間、慎重な人はさまざまな想定をしながら、どう判断するのがベストなのか、どの選択をするべきなのかについて、頭を忙しく働かせていると考えていいでしょう。
ふつうの人ならば、たとえば1時間で判断するところを、慎重な人は1日かけて判断するわけですが、この場合、ふつうの人よりけた違いに長い時間、そのテーマについて熟考しているのです。
考えることが好きでない人に、そんな長時間の熟考はできません。
考えることが好きなために、誰に頼まれたわけでもないのに長い時間熟考するのが、慎重な人なのです。
自分は頭がいいと思っている
慎重な人は自尊心が強く、自分のことを頭がいいと思っています。
「浅慮」という言葉があります。
浅はかな考え方のことを指す言葉ですが、じっくりものごとを考えることをしないで、あわてて判断してしまう人は、判断ミスをすることが少なくありません。
浅慮な人は失敗をしやすいと考えていいでしょう。
慎重な人はそのような浅慮な人のことを愚かな人だと思っています。
じっくり時間をかけて考えれば、そんな間違いをすることはなかったのに、よく考えないで結論を急いだために失敗したのですから、浅はかとしか言いようがないと、慎重な人は思うのです。
「それにひきかえ、自分は時間をかけてじっくり考えた上で決断するから、判断ミスを犯しにくい。正しい判断をすることができる自分は、人よりも頭がいい」と思っているのが、慎重な人の心理的特徴と言っていいでしょう。
慎重にものごとを判断しても、失敗することはあります。
考えすぎたために、かえって客観的な判断ができなくなってしまうということもあるに違いありません。
しかし、慎重な人は多くの場合、正しい判断を下すことができているために、その成功体験から、「やっぱり自分は頭がいい」と考えるわけです。
慎重な性格の長所とは
失敗が少ない
慎重な性格の人は、何事にも注意深く軽率な行動をとりません。
目の前のことに一直線にならず、常に周囲のことに気を配れるその性格によって、多くのミスや失敗のリスクを回避することができます。
慎重な人の特異な所は、実際に失敗をする前に、失敗の可能性を見出せることです。
世の中には避けられないトラブルというのももちろん存在しますが、人の身に降りかかる全てのトラブルが、回避できないものというわけではありません。
確認や点検など、行動の前に周囲の状況を見ておくことで、リスクに気付けるトラブルはたくさんあります。
ミスは失敗して初めて目の前に現れるものですが、想定はできるものです。
起こりえるミスを想定できずに、ミスに対する対処の行動をとらないままに進んでしまい、避けられるはずの被害を被ることになるのは、とてももったいないことです。
行動に伴う失敗のリスクを考えて全てのリスクに対処し、準備万端の体勢をとってからようやく動くことのできる慎重な人は、そのフットワークの重さを批判されがちですが、失敗を回避できるのなら行動はけして無駄なものではありません。
失敗のできない大舞台で、その類まれなるリスク回避能力は大いに役立ちます。
人に信頼される
信用は、人間関係を円滑にする重要なツールです。
普段の生活の中で他者と健全な関係を築くためにも、仕事で利益を上げるためにも、信用は必要になります。
信用されるということは、相手の心に近付けるということであり、その距離の近さが物事を有利にするケースはとても多いのです。
基本的に人は自分の不利益になることをする人は信用しないので、信用を勝ち取るためには、相手の不利益にならないように立ち回り、相手に認めてもらわなければなりません。
自ら積極的に他者への働きかけを行わなくても、自分の理念に則って動いているだけで、他人からの信頼を得やすいという長所を慎重な人は持ちます。
慎重な人が知らず人に信用されるのは、軽率な行動をとらないからです。
トラブルの元があろうとどんどんつっこみ、周囲の人を引き起こしたトラブルに率先して巻き込んでいくような軽率な人を、人は信用しません。
慎重な人はトラブルを起こさず、人を巻き込むということもしないので、他者から一緒にいてもリスクのない、安心感のある人と評価してもらうことができます。
信用を得やすい慎重な人の体質は、ビジネスの場での人間関係を良好に保つことができるので、重宝されます。
急な出来事でもパニックになりにくい
世の中には感情で動く、直情的と呼ばれる人が存在します。
心に思ったことをそのまま行動に移してしまう直情的な性格は、慎重な人とは真逆のものです。
慎重な人は、感情よりも理性を優先できる人です。
場の雰囲気や周囲の人のボルテージに振り回されることなく、自分が安心できる状況を作り出すために、理性に基づいて慎重な人は行動します。
慎重な人のその性格は、急な出来事でもパニックになりにくいという長所に繋がります。
人は予想外のことが起きた時、少なからず動揺し、平常時と同じように物を考えることができなくなります。
これがパニック状態です。
パニックに陥った人は、衝動のままに行動してしまいやすく、その注意散漫な態度は更なるトラブルを呼び寄せます。
慎重な人にとっても、予想だにしない出来事というのは恐ろしいものですが、どんな状況でも冷静にならなければならないという思考を一番に働かせることができるので、パニックまでの混乱に陥りにくく、陥ったとしても直ぐに回復することが可能になります。
慎重な人の冷静な思考は、混乱の状況においても物事の悪化を防ぎ、事態の解決の方法を導き出すことができる優秀さを秘めたものです。
慎重な性格の短所とは
行動力に欠ける
慎重な人はいろいろと頭の中で考えすぎてしまう結果、実際に行動をするまでに時間がかかってしまい、チャンスを逃がしがちになるという欠点があります。
結局、考えるだけ考えて行動をしないことも少なくなく、さまざまな選択肢を考慮した結果、自分では何も選べなくなってしまうのです。
また、いろいろなことを想定し、万が一のことを考えることで失敗を過剰に恐れてしまうのも特徴になります。
それが余計に行動を消極的なものにしてしまい、自分の頭の中に思い浮かべるさまざまなことに縛られて何もできなくなるという、本末転倒ぶりを発揮してしまうのです。
何もしていないのに発生するかもわからない失敗が怖くて、行動をすることができません。
石橋を叩きながら渡ることは大切なことではありますし、慎重になること自体は悪いことではないのですが、それが原因で動けなくなってしまうようであれば意味がないでしょう。
時にはネガティブさに苛まれていても行動が解決に導くことがありますが、失敗してもいいから何かをしようという気持ちに向きにくいのが、慎重なタイプの人の悪いところです。
周囲の人達に気を遣いすぎてしまう
慎重な人というのは自分だけではなく、自分が何か行動をすることで周囲にいる他者がどういった影響を受けるのか、どういった気持ちになるのかを必要以上に考えてしまいます。
可能であれば迷惑をかけたくはありませんし、自分の行動が周囲の人達の利になれば幸いです。
そうやっていつも気を遣いすぎてしまうことから、自分よりも周りのことを優先的に考えられるようになりますが、どこか自己犠牲的な気持ちが生まれてしまいがちなのが悪いところでもあります。
自分が損をしてしまっても周囲が喜んでいるようであればそれでいい、もし自分の意思を通してしまうことで周りから嫌われたり仲間外れにされるような事態になっては大変だ、そういうふうに思ってしまうのです。
慎重になることで自分がこうしたいああしたいという意思だけではなく、勝手に周囲への責任感を覚えたりわかりもしない行動への影響を想像してしまうのが厄介なところになります。
万が一迷惑をかけてしまうような事態になれば、その時に対処を考えればいいでしょう。
しかし、必要以上に事柄を重大に捉えすぎてしまい、自分にばかり負担を大きくかけてしまいやすいのです。
自己評価が低く自己嫌悪に陥りやすい
とにかくどんなことでも頭で考えすぎてしまうのが慎重な人の長所でもあり、同時に短所でもあります。
慎重さは自信のなさの表れでもあり、何をするにも自分には力量が足りていないと考え、役者が不足をしていると感じてしまうので、あれこれと考えてから行動することで失敗を減らす努力をしているつもりになっているのです。
ですから、もし何か小さなミスでも起こしてしまったら、やはり自分は器ではなかったのだ、自分には無理だったのだと必要以上に責めます。
そうして自己嫌悪に陥り、ますます自信を喪失してしまいやすいのです。
考えることが得意なあまり、自分のどんなところがダメなのかを分析し続け、さらに自分はダメな人間だと思い込みやすくなるという負のスパイラルに陥ってしまいます。
人間、生きていれば選択の連続ですし、何をするべきか、どんな道を選ぶべきか瞬間的に選ばなければならないこともありますが、慎重な人はそういったことも不得意で、大抵の場合はその選択を後悔し、正しい道を選べないと思い込んでやはり自己嫌悪に苛まれます。
自己評価が低く、自分はすぐに失敗をする、だからよく考えならなければならない、そういったマイナスの動機から慎重さが発揮されることが多いのです。
慎重な性格の人に向いている仕事とは
事務や経理の仕事
事務や経理の仕事は、ちょっとしたミスが許されない仕事なので、慎重な性格の人に向いている仕事になります。
万が一計算ミスや書類作成ミスなどを発生させてしまった時、会社や企業に甚大な被害を発生させる恐れがあるからです。
そのため、事務や経理を行う人材を求める時、会社や企業では慎重で尚且つ正確性に長けている人材を積極的に採用する傾向が非常に強いです。
ただし慎重に作業を実施するだけではなく、少しずつ慣れていく事ができたらスピードも求められてきます。
特に年末や決算時期は、大量の仕事を抱えるケースが多いので、ミスをしないように尚且つ素早く計算や書類作成を行わなくてはいけません。
特に事務や経理の人数が少ない会社は、会社の内部を全体的に支えてもらっている状況なので重要な人材として働かなくてはいけないです。
大変な仕事ではありますが無事にやり遂げる事ができれば、大きな達成感を感じられるため、女性だけではなく男性にも人気の仕事です。
仕事を希望している方は、事務や経理に関連している資格を取得すれば、優秀な人材として証明できるため、採用されやすくなります。
プログラムやシステムのテスター
慎重な性格の人に向いている仕事の一つとして、プログラムやシステムのテスターが向いています。
プログラムやシステムの開発をする際、品質を上げるために単体テストやシステムテストなど色んなテストが行われています。
そしてエラーやバグが発生していないかどうかチェックをしていき、問題なければリリースされるのが一般的な流れです。
どんなに優秀なプログラマーやSEでも何かしらのエラーやバグが発生しており、そのままリリースすると大変な状況になります。
そこで慎重な性格のテスターがあらゆる角度でテストを実施していき、問題ないかどうかチェックすることで、品質を高められます。
近年は多くのプログラムやシステムが誕生している影響のため、以前と比べてもテスターとして活躍している方が増えています。
多少の開発スキルを身につけていれば、活躍することができる職業なので決して難しい訳ではありません。
物事を慎重に考える事ができ、正確性に長けている人物ならば優秀なテスターとして活躍できる可能性を秘めています。
ポイントとしてはちょっとしたエラーやバグも見逃さないで、プログラマーやSEに報告して、修正してもらうのがポイントです。
ネットワーク監視作業
細かい部分までチェックしていき、ネットワークに問題がないかどうか確認する仕事がネットワーク監視の作業です。
慎重さが何よりも大切で、ちょっとした異変にも気付けるようにあらゆる角度で監視をしなくてはいけません。
ネットワークにはそれぞれ値が定められているので、一定以上の値を超えてしまった場合は、ネットワークに大きな負担もしくは異常が発生していることになります。
そこで慎重な性格の人は、見逃さずにネットワーク負担や異常を素早くネットワーク管理者に報告もしくは自ら対処することができるのでとても向いています。
逆に慎重な正確ではない方は、ネットワークの値に異変が発生しているにも関わらず、見逃してしまうまたは無視をしてしまう可能性があります。
そうなるとネットワークを快適に使用することができなくなったり、その間に不正アクセスやハッカーなどによって甚大な被害を発生させる恐れも出てきます。
緊急時はスピードも求められる仕事内容になっていますが正常時もちゃんと確認をしなくてはいけないため、慎重で尚且つ注意深い人に向いている仕事内容です。
慎重に行動する癖を身につけよう
いかがでしょうか。
慎重さというのはとても大切なスキルの1つです。
多くの人はそれを軽視してしまいがちです。
ありふれた言葉に惑わされて、慎重に行動する大切さを見落としてしまいます。
「目の前にチャンスがあるなら飛び乗るべきだ」、「もっと大胆に行動しよう」
その言葉を信じて痛い目にあってきた人は数え切れません。
中には人生を棒に振ってしまったケースもあるでしょう。
人生は何度でもやり直すことができます。
一度どん底から這い上がってきた経験がある人は、メンタルもタフなので0から復活することができます。
しかしもともと100ある人が、いきなり0になると、その自体の重さに戸惑いを隠すことができません。
受け入れるのにも時間がかかるでしょう。
立ち直るまでの期間が長ければ長いほど、あなたの人生は短くなっていきます。
慎重さというのは、このようなリスクまでしっかりと考えて行動することなのです。
最悪の事態に陥ってもなんとかなる術がある!という危機管理能力があるからこそ大胆になれるのです。
関連記事:危機管理能力が低い人・高い人の特徴と危機管理能力を向上させる方法とは?
チャンスは何度でもやっていきます。
一度見逃してしまっても損をするわけではありません。
次のチャンスに乗れるように準備をしておくことがとても大切なのです。
また、もしあなたの仕事が上手くいっていなかったり、職場での悩みがあるのであれば「仕事ができない人の特徴とその対処法9つ」もあわせて読んでみましょう。きっと今までの悩みや問題が一瞬で解決できるキッカケをつかむことができるはずですよ。