年功序列のメリットとデメリット7つ
日本の企業というのは年功序列というシステムを取り入れている会社が多くあります。
しかし従来のそういった会社内においてのシステムが、だんだん変わりつつあり年功序列ではないという企業も近年は増えつつあります。
日本の企業において大変よく取り入れられていた年功序列のシステムについて、もちろんメリット・デメリットがありますが、それはいったいどういうものなのでしょうか。
そこで今回は年功序列のメリット・デメリットについてお伝えいたしますので、ぜひ参考にしてみてください。
年功序列
役職を自動的に得るメリット・デメリット
年功序列の大きな特徴として、
勤続年数が長くなればなるほど自動的に役職を得るという事があります。
例えば20代で平社員だった若者も、30代では係長という役職に就く事ができ、
40代では課長職を得る事ができるといった風に長く勤めていると役職もそれに合わせて上がっていくという事があります。
よほどの仕事のミスや失敗がなければ、今は平社員でもこのまま頑張っていけば役職をもらえるという希望があるので、
頑張って働いていこう・会社のために尽くそうという気分にもなるのです。
そのうち役職が上がるという事は、そこで勤める上で安心感があるとも言え、これは大きなメリットです。
実力次第で上に上がっていくとなると士気は上がる事もありますが、
仕事の内容次第ではいつまでも役職に就く事ができないという不安や後から入った後輩に抜かれるという焦りがあって、精神的にプレッシャーがかかるでしょう。
しかし、この自動的に役職を得る事ができるという事のデメリットは、実力がある人間がなかなか頭角を現す事ができないというデメリットがあります。
いくら頑張っても勤続年数によって出世が決まるとしたら、やる気もなかなか出てこないでしょう。
勤続年数によって職場での役職が自動的に得るという事ができる年功序列のシステムは、安定はありますが実力のある若手がやる気を失いかねないというデメリットがあるのです。
給料面でのメリット・デメリット
年功序列の会社において、給料が上がる事と勤続年数が長い短いという事は大きな関係があります。
勤続年数が長いという事でそれなりの給料がもらえるというのは、
その企業で働く上で、大きな魅力でもある生活の安定につながるメリットです。
まじめに働いていればちゃんとお給料が上がるという事は、社員にとってありがたい事でもあるのです。
今は企業の経営状態が悪いというところもあり、長く働いた社員でも給料カットを余儀なくされたりする世の中です。
そんな中で年功序列に基づいて給料が上がるなら、
その会社で長く頑張ろうという気にもなるでしょう。
逆にデメリットとしては、仕事をどれだけ頑張ってもそれが給料に反映されにくいと感じてしまうという事があります。
いくら頑張って働いても、結局年功序列で給料が変わらないなら、そんなに頑張って働く必要がないかもと感じてしまう社員もいるでしょう。
若手である限り給料が上がらないと考えたり、逆にある程度の勤続年数となった社員は、それほどシャカリキに仕事をしなくても安定した給料が入るという事で、場合によってはそこそこの仕事しかしなくなるかもしれないのです。
その給料面での年功序列のデメリットを解消するために、ボーナスなどで対応するという策もあります。
毎月の給料はそうそうアップは難しいかもしれませんが、今期において成果を上げた社員に対してボーナスで対応する事で、給料の少ない若手も発奮するでしょうし、勤続年数の長い社員も仕事に対して真剣に打ち込むという事になるでしょう。
年功序列が給料面に与えるメリット・デメリットはありますが、それをうまく解消するのに役立つものがボーナスや褒賞といったものなのです。
意見が言いにくくなるメリット・デメリット
年功序列の会社において、どうしても勤続年数が長い社員ほど役職についていたり給料が高かったりします。
そんな中で、勤続年数の短い社員は自分の意見を言いにくくなるというデメリットがあるのです。
例えば会議において、役職などには関係なく色々な意見を求められているような場であっても、つい役職についている社員に遠慮して自分の意見を言いにくくなってしまうという事があります。
立場が上の社員から見れば、そんな事には気を使わないでどんどん意見を言ってほしいという事もあるでしょう。
しかし、そうはいっても若手社員としては今後の関係もありますから、なかなか本音を出すという事は難しいかもしれません。
逆にメリットとしては、社内の秩序というものが守られやすいという事があります。
実力主義の会社では、若いリーダーの下で年配の社員が働くという事もあります。
実力に合わせたポジションの配置はとても良い事なのですが、ともすれば年齢が上の人間に対する態度もあまり良くないという事が起きるという事もあるのです。
いくら実力主義といっても、明らかに年下の人間が年齢が高い人に対してラフな態度をとるというのは、はたから見ていても見目の良いものではありません。
いくら年下の人間が上司であっても言いたい事を言いすぎるというのはいかがなものかという場合もあるのです。
意見が言いにくくなるというデメリットがありますが、年配者にはそれなりの態度で接するという姿勢があるのはメリットです。
このように年功序列というのはメリットデメリットがそれぞれあるといえるでしょう。
転職など社員の流出を防止しやすい
年功序列は勤続年数によってキャリアがアップしていきます。
長く勤めれば勤めるほど待遇が良くなるのですから、会社離れを防止する策の一つと言えるでしょう。
社員にとっては、いわゆる「ヘッドハンティング」のような転職でない限り、本人の意思のみで転職をするとキャリアは全てクリアとなりゼロからの出発となってしまいます。
それを考えれば、「この職場にいた方が安泰」と判断する人も多いでしょう。
仕事の中で不満があったり、何かトラブルで納得できないことがあっても我慢して勤めることで安泰が得られます。
会社にとっては、その職場での知識やスキルを身に付けた社員が常にある程度の人数して勤めてくれるということは、会社運営にとっても安心材料でメリットです。
勤続年数が長いことでそれだけ外部や関係者との人脈もできることもメリットでしょう。
チームワーク作りがスムーズ
長年勤めていた男性が、自分よりも勤続年数の少ない後輩に指示されて働く、という場面に抵抗はありますか?
年功序列でなく成果主義であれば、これは日常茶飯事のこととなります。
最近は、いわゆる雇用均等法により男女の格差が少なくなってきている職場も多いでしょう。
となると、若い女性が年の離れた自分の父親のような男性に対して指示するということもあり得ます。
しかし、日本人の気質としてはまだそこまでの精神性変化は遂げていないというのも実際のところではないでしょうか。
年功序列であればこういったことはなく、基本的に勤続年数や年齢が上の社員が下の社員に対して指示するという形になるので、あまり抵抗が無く捉えられることでしょう。
その中で、意見があれば言うことはできるのであれば、チームワーク作りはスムーズに行われていくことでしょう。
自己啓発の精神が育まれにくい
年功序列であれば、日々キチンと業務を遂行していくことでキャリアアップが図れるので、敢えて自己啓発をしていく必要性は少なくなります。
もちろん、必要な知識は備えて業務に対応していくことは必要ですが、さらなるスキルアップは必要ないわけです。
となると、先輩はもちろん同僚や後輩との位置関係を意識して切磋琢磨する、ということもあまり考えなくなるでしょう。
個々人のスキルアップや事務改善に対する意識が低いということは、職場全体として変化への対応も遅れてしまいます。
必要に迫られなければやらなくても良い、という考えに近いでしょう。
周りの環境が変わり、それに対応できなくなってからようやく重い腰を上げ、しかも最低限の改善策を落としどころとしてしまうかも知れません。
同じ待遇であれば、仕事は楽な方が良いという考えに向かっていってしまうことはデメリットです。
人間関係の癒着などの弊害
年功序列のもう一つのデメリットとして、人間関係の癒着などの弊害もあげられます。
同じ職場で長く勤めているとその業務に対しての知識やスキルも増えるわけですが、それとともに人間関係や会社全体の仕組みなども把握してきます。
最初からそんなつもりはなくても、長く勤めていることで取引先と接する機会も増えてきます。
先方にしてみれば職場に詳しい社員とのつきあいは仕事を上手く運ぶための手段にもなり得るのです。
実際に金銭トラブルまでには至らないしろ、長年に亘る職場内の情報も価値を持っているということもあります。
また、外部の取引先に限ってことではなく、時に内部での人間関係も長い年月の中では癒着に似た状態になることも考えられます。
多少の問題は見なかったことにするといった、いわゆる「なぁなぁ」の関係になりがちな点も注意すべきでしょう。
年功序列のメリットとデメリットをよく比較しよう
いかがでしょうか。
以上、年功序列のメリット・デメリットについてお伝えいたしました。
このように年功序列というシステムは良いところももちろんあります。
そういったメリットをより大きくしながら、デメリットの部分を少なくできるような企業の対応が一番大切だといえるのでしょう。
そして、どういった企業を選ぶ際は、このような年功序列制度かどうかも確認してみることで、その会社の見え方も変わってくるはずです。
また、もしあなたの仕事が上手くいっていなかったり、職場での悩みがあるのであれば「仕事ができない人の特徴とその対処法9つ」もあわせて読んでみましょう。きっと今までの悩みや問題が一瞬で解決できるキッカケをつかむことができるはずですよ。