疑い深い人の特徴・心理とその対処法や付き合い方とは?
疑い深い人とは、相手の行動や態度の裏を読んで、なにか企んでいるのではないかと、すぐに疑ってしまうような人のことです。
今も昔も詐欺などの犯罪行為はあとを絶ちません。
実際に被害に遭われたことがある人は、疑い深い性格になっても仕方ないでしょう。
しかし、そうでない人もなぜか人を信じることができない状態になっているケースが増えています。
もしかしたらあなたや周りの人もそうではありませんか?
そこで今回は、疑い深い人の特徴・心理と疑い深い人への対処法や付き合い方をご紹介していきます。
ぜひ今後の参考にしてみてください。
【目次】
疑い深い人の特徴
友人が少ない
疑い深い人に共通して見られる特徴として、友人が少ないというものがあります。
親友や学生時代の気の合う友達といった純粋な交友関係に止まらず、顔見知りや親しく話す同僚までの、広い関係性における友人です。
疑い深い人は何に対しても、誰に対しても懐疑心が強く、容易に自分のテリトリーに人を入れません。
信用の置けない人間を、受け入れてなるものかという強い意志が、そこには常にあります。
そしてその疑いの心を、隠さないことも特徴です。
頑なな言動を向けられた周囲の人は、信用されていないということに気付いて、居心地の悪さに離れていってしまうので、疑い深い人はどうしても孤高の存在になりがちです。
そして友と呼べる人がおらず、味方もいない世界で、ますます心を閉ざすようになります。
疑い深い性格の人にとって、他人を疑うということはごく普通のことであって、反射的なものです。
仲良くしてくれる人も親身になってくれる人も、例外なく疑心を抱いてしまう、それはきりのない衝動です。
疑い深い人の中には、他人を疑うことに疲れ、人付き合いそのものを疎むようになる人もいます。
疑い深い人にとって、友人同士のコミュニティというものは、必ずしも安らぎを与えてくれるものではないのです。
人を信じて痛い目をみた経験がある
疑い深い人も、初めから他者を信じることができない、難儀な生き方をしていたわけではありません。
疑い深さは持って生まれた性質ではなく、成長の過程で形成される人格によるものです。
人間の人格形成には、子供時代の体験が大きく影響しているといわれます。
幼い頃に人を信じて痛い目をみた経験があるというのは、疑い深い性格の人が持つ特徴の一つです。
人の脳は、経験によって学習します。
信じて裏切られるという経験をした脳は、信じることが悪いことだと学習をし、裏切られて損害を負わないために、疑うことを覚えます。
幼少期に対人関係でトラブルを経験したことのある、全ての人が疑い深い性格になる、ということはありません。
結果を左右するのは、心に負った傷の大きさです。
最初に負ったダメージが大きければ大きいほど、脳の防衛本能が働き、疑い深い性格になりやすくなります。
また子供時代に限らず、大人になってからの経験によって、疑い深い性格になってしまったという人もいます。
疑い深くなることによって、二次被害を抑えることができたとしても、最初の時に受けた傷が消えることはありません。
きっかけとなった事件を解決し、気持ちを納得させることができれば、疑い深い性格が落ち着いてくるということはあります。
自尊心が高い
疑い深い性格の人は、騙されたくない、裏切られたくないという心によって目の前にあるものを疑います。
その感情自体は、ほとんどの人間が抱く感情であり、特別なものではありません。
行動を並外れたものにしているのは、思いの強さです。
疑い深い性格の人は、自尊心が高いという特徴を持っていることが多いです。
自尊心というのは自分に対する肯定的な感情であり、プライドとも呼ばれます。
自尊心の高い人は自分に自信を持ち、高い自己評価を持ちますが、同時に他者からの干渉を嫌う傾向にあります。
他者によって、自信に傷がつけられてしまうことを恐れるためです。
自尊心の高い人は、自分が優れていると主張するために、人よりも高いポジションにつくことを常に望んでいます。
自分の優秀さをアピールするべき他者から騙される、裏切られるという状況は自尊心の高い人にとっては受け入れがたい屈辱であり、ゆえに人一倍騙されたくない、人の言動によって自分の価値を落とされたくないという気持ちを強く持ちます。
その強い気持ちによって、他人に過剰な不信感や疑念を抱いてしまう、疑い深い性格は作られることになるのです。
疑い深い人の心理
不安を感じている
疑い深い人の心理として、不安を感じていることがあげられます。
人は不安になると、安全を確保するために過剰な防衛本能が働いてしまうことがあります。
疑い深い人はまさに、そのような状態の心理に陥っているのです。
安心しきって物事を鵜呑みにするのは失敗の元ですが、過剰に疑い深くなってしまうと何も出来ません。
それでも疑い深い人は、自分の不安を解消するためには、すべてを疑って安全を確保するしかないと考えるのです。
ここで問題なのは、不安はあくまで感情的なものであって現実とは言えないということです。
たとえば、自分が交通事故で死んでしまう確率はゼロではありませんが、極めて低い確率です。
しかし、その極めて低い確率にも不安になり、一歩も外へ出ないのは問題です。
不安自体は決して悪いものではありませんし、上手く付き合えばリスクを減らすことにも繋がります。
不安を生かすには、僅かな危険に対しても気を付けるように心がけて、現実的な安全策を立てれば良いのです。
しかし、疑い深い人は不安に流されやすく、現実的でない解決策や現実逃避をしてしまうことにもなりかねません。
疑い深い人には、その不安と対策が現実に則っているかどうか向き合ってもらう必要があります。
トラウマを抱えている
疑い深い人の心理として、トラウマを抱えていることがあげられます。
人は自分の経験から、物事の成功率をあげるようにしたり、失敗をしないように行動をコントロールします。
疑い深い人も、疑うことで安全を確保するという行動を選択してしています。
しかし、疑い深い人はしばしば過剰な防衛行動をとります。
それは過去のトラウマがそうさせている場合があるのです。
人は誰でも失敗すれば落ち込むものなのですが、あまりにもショックが大きいとトラウマになります。
トラウマを抱えると、過去の失敗にまつわることに対して過剰に恐れや不安を感じてしまい、大きなストレスになります。
そのトラウマが再現されないように、普通の人が安全に見えることでも過剰に疑ったり、逃げようとしたり、慎重になりすぎたりします。
疑い深い人を説得したり一緒に何かをするのは、とても骨が折れることです。
とはいえ、もしトラウマが原因であれば無理矢理納得させたり強引に話を進めるのは考えものです。
感情に対して感情でぶつかってしまうと、お互いが傷付いてしまう恐れがあります。
相手に感情を鎮めてもらうには理性的な態度と根気が必要になります。
疑い深い人がトラウマを抱えている場合は、なるべく感情的にならないように気を付けつつ、現実的に危険度を認識してもらうことが大切です。
自信がない
疑い深い人の心理として、自信がないことがあげられます。
人は自分に自信がある事柄に対しては、臆することなくこなしていきます。
しかし、自信がない事柄に関しては、人から大丈夫だと言われたとしても先に予習したり、誰かに相談するなどして慎重になります。
疑い深い人はこのような心理に陥りやすいので、何事も警戒し、慎重になってしまうのです。
また、疑い深い人は自信がないため、いまいち行動力に欠けるところがあります。
行動しなければ、経験を積むことは出来ません。
経験を積むことで、物事のリスクや本当の安全性、どうすれば上手くいくかなど、現実的な見方をすることも可能になっていきます。
しかし、自信がなく行動力も経験も乏しいとなると、そういった知見を得るチャンスも減ってしまいます。
すると現実的な見方を出来なくなり、さらに自信がなくなるという負のスパイラルに陥ってしまうのです。
過剰に疑い深い人にそういった負のスパイラルから抜け出してもらうには、簡単なことや小さなことから行動して経験を積むことが大切です。
成功体験をこつこつと重ねると、少しずつ自信がつき、物事を冷静に見ることが出来るようになります。
冷静に物事を見られれば、過剰に疑い深くなることもありません。
疑い深い人への対処法や付き合い方
粘り強く丁寧に説明する
疑い深い人は、こちらが話したことを、最初から疑ってかかってきます。
たとえば、「この間の休日、こんな珍しいことがあった」という話をしたとしましょう。
ふつうの人ならその話を聞いて、「そんなことがあったんだ」と納得するところを、疑い深い人は「ほんとにそんなことあったの?」と疑うわけです。
そういう人を納得させるためには、ふつうの人に話をする時と同じような説明では足りません。
ふつうの人に話すときとは違うレベルのていねいな説明が必要になってくると考えていいでしょう。
ていねいに説明するためには、それだけでも時間がかかりますが、疑い深い人を相手にした場合、一度説明しただけでは納得してもらえないことが少なくありません。
そのため、複数回、同じような説明をする必要が生じることもよくあるのです。
そんな人に対応するために必要となるのが、粘り強さでしょう。
同じ説明を何度か繰り返し、噛んで含めるように話をしてようやく納得してくれることもよくあるのですから、途中であきらめてはいけません。
最終的に疑ったまま、納得してもらえないこともあるでしょうが、可能な限りていないな説明をくりかえすこと、これが疑い深い人への対処法といことになるでしょう。
事実をありのまま正直に話す
疑い深い人は、人に騙されることを人一倍恐れていますから、一度でもその人から騙されると、もうその人を信用することはありません。
「あの人は人を騙すから、信用できない」と考え、その相手に「うそつき」というレッテルを貼ってしまうのです。
そういうことになると、もう何を話しても信じてもらえないと考えたほうがいいでしょう。
ですから、疑い深い人とうまくつきあっていくには、「この人は信用できる人だ」と思ってもらうための努力をする必要があります。
では、どうしたら信用してもらえるのか、それは「うそをつかない」ということにつきます。
一度でもうそをつくと、疑い深い人に「信用できない」と思われてしまいますから、つねに正直に話をするよう心がけましょう。
ポイントは、話を脚色したり、盛ったりしないこと。
話の大筋では正直に話しても、話をおもしろくするためにちょっと話を装飾したり、おおげさな言い方をしてしまうと、疑い深い人は敏感にそのことをキャッチし、「どうもこの人は話を盛っている。信用できない」と判断するのです。
そんなことにならないよう、正直に話をするだけでなく、ありのままの事実だけを伝えるようにしましょう。
信じてもらうことを期待しない
自分が話すことを相手に信じてもらいたいと思うのは、人間にとって当然の心理と言っていいでしょう。
ほんとうの話をしたときは言うまでもありませんが、偽りの話、作った話をした時でも、人間はその話を相手に信じてもらおうとします。
そして、相手に信じてもらえないと「なんで信じてもらえないんだ」と思い、そのことによってストレスを感じてしまうに違いありません。
つまり、疑い深い人とつきあっていると、どうしてもストレスを感じる機会が増えてしまうのです。
それを避けるためにおすすめしたいのは、「信じてもらおうとしない」ということです。
ふつうの人に話をする時は、信じてもらうことを当然期待しますが、同じことを疑い深い人に求めてはいけません。
相手は、最初から人の話を疑ってかかるのですから、「話を信じてもらえない」というのが、疑い深い人を相手にした時の、ふつうの状態と考えていいでしょう。
なんとか信じてもらうための努力をするのはいいことではありますが、最終的には「信じてもらえなくてもしかたがない」と割り切って考えるべきです。
信じてもらうことを期待せず、疑われることが当たり前だと思ってつきあうこと、これが疑い深い人との付き合い方、おすすめの対処法です。
疑い深い人は広く浅くつながろう
いかがでしょうか。
疑い深い人は過去になにか大きな出来事を経験したことがある人かもしれませんし、もともと性格的なものかもしれません。
原因は人によって様々ですが、共通する点は人とコミュニケーションをとるときにどうしても繕ってしまうことです。
本当の自分を出さないということは、それだけ他人を信用していないことでもありますし、逆に信用されにくくもなります。
これからの社会はより一層人とのつながりが大事になっていくのは間違いありません。
早い段階で改善しないと、孤立してしまい、どうしようもなくなっても誰も助けてくれないでしょう。
どこかのタイミングで人を疑わないようにすることが今後の未来を大きく左右します。
もちろん100%信頼する必要はありません。
たとえ裏切られることになったとしても、致命的なダメージを受けないようにしておくのがスマートです。
そして、1つのコミュニティや1人に依存してしまうとそれだけ負担が大きくなってしまい、これも致命的なダメージを受ける可能性が高くなります。
重要なポイントはたくさんのコミュニティをもって、沢山の人達と薄く広くつながることです。
分散しておけば、1つ1つの負担は軽くなるので、気持ちも楽になります。
また、もしあなたの仕事が上手くいっていなかったり、職場での悩みがあるのであれば「仕事ができない人の特徴とその対処法9つ」もあわせて読んでみましょう。きっと今までの悩みや問題が一瞬で解決できるキッカケをつかむことができるはずですよ。