虚栄心が強い人の心理や特徴9つ
人間は誰しも、自分をよりよく、より大きく人に見せたいという願望を持っています。
意識するしないにかかわらず、それは人間の自然な心理と言っていいでしょう。
しかし、ほとんど人は「ほんとうの自分」をきちんと自覚していますから、実像と大きく異なるような自分の虚像を作ろうとはしません。
それを平気で、日常的に行うことができる人、つまり常に自分の虚像を作ってそれを人に見せようとするのが、虚栄心が強い人ということになるでしょう。
では、虚栄心が強い人はどんな心理を持っているのでしょうか。
そこで今回は複雑にして難解だと思われがちな虚栄心が強い人の心理についてご紹介していきますので、ぜひあなたはあなたの周りの人と比較しながら最後までご覧ください。
虚栄心の強い人
自分の中で「自分」という存在が膨張してしまっている
最初にあげられる心理は、「自分という存在の巨大化」です。
ふつうの人に比べて、自分の中で「自分」という存在が膨張し、巨大化してしまっているのが、
虚栄心が強い人の最大の特徴ということができるでしょう。
ふつうの人は「自分はせいぜいこのくらいの存在に過ぎない」という自己評価をどこかでしています。
そのために、無理に自分を大きく見せようとか、嘘をついたり話を脚色してまで、自分の飾り立てようとはしません。
買い物をするときも、身の丈にあった商品を選びます。
たまに話を盛って自分を飾ったり、見栄を張った買い物をすると自己嫌悪を感じ、後悔するのがふつうの人です。
しかし、虚栄心が強い人の精神世界の中では、自分の存在が実態を離れて大きく膨れ上がってしまっています。
ですから、その巨大化した自分を満足させるために、ことあるごとに自分を飾り、人に大きく見せる必要が生じるのです。
その結果、精神的にも金銭的にも無理をして、自分を飾ろうとするわけです。
これは一種の自己愛ではありますが、かなりゆがんだ自己愛、虚ろな愛ということができるでしょう。
常に人との比較によって、アイデンティティを確立しようとする
次に、アイデンティティ確立のために、常に他人を持ち出すという心理もあります。
「自分は自分、人は人」という意識を持つことができず、いつでも他人との比較でしか「自分が自分であること」を認識できないのです。
他人よりも上に立っていたいという欲求が強く、「自分は他者よりも優れている、人よりも大きな存在である」と確認することによってのみ、安心を得られる心理と言い換えることも可能でしょう。
要するに、精神的に独り立ちできず、他者の存在を借りることによってはじめてアイデンティティを確立できるのが、虚栄心が強い人なのです。
自信はなく、常に危機感を抱いている
自分の存在が実態を離れて膨れ上がっているということには、ほとんど場合、気づいていません。
しかし、「自分が虚栄心の強い人間である」という自覚はしっかり持っています。
「虚栄心を満足させるために、自分は無理をしたり嘘をついたりすることが日常的にある」という認識はあるのです。
したがって、「実は自分はそれほど大きな存在ではない」ということを、心のどこかで感じていて、その「正体」が明らかになることに強い危機感を抱いているのです。
「虚栄心が強い人」というと、我の強い自信家というイメージを持つ人が少なくないでしょう。
たしかに我は強いという特徴はあります。
しかし本当の意味での自信家ではありません。
自信家のように人には見せていますが、内心はふつうの人よりも自信がないのが、虚栄心が強い人なのです。
自己否定の要素があり、虚栄を張ることに「うしろめたさ」を感じている
自信がないということと関連しますが、自己否定の要素を常に持っているのが、虚栄心の対用人の心理の特徴です。
「自分はどうしていつも、虚栄を張ってまで自分を大きく見せようとしてしまうのだろう」という反省をします。
反省しながら、しかしどうしても虚栄を張らずにいられない。
そうした自覚がありますから、「ああ、また虚栄を張ってしまった」といううしろめたさを感じ、それが自己否定につながるというわけです。
精神的に弱い自分がいとおしい
これまで見てきたように、虚栄心が強い人はじゅうぶんな自覚を持ちながらも、虚栄の世界から抜け出すことができません。
ひとことで言うなら、「弱い人間」ということになるでしょう。
そして、「自分は弱い人間である」という認識もちゃんとあって、「そんな、弱い自分がいとおしい」という心理を持っているのです。
ここで再び「自己愛」が登場しました。
最初の自己愛は自分の中で自分が不当に膨張してしまったがゆえの、かなりいびつな性質のものでした。
それに比べると、こちらの自己愛は「ダメな自分がいとおしい」という、ごく一般的でふつうの性質のものと言っていいでしょう。
自分がいとおしいという感情、心理が、さらに自分の中で自分の存在を大きくするという結果につながります。
これが、虚栄心が強い人の「自己膨張のスパイラル」ということになります。
危機意識に欠ける
虚栄心の強い人の中には危機意識に欠ける人がいます。
問題が起きても誤魔化せば何とかなると思っている場合も珍しくなく、リスクを軽視しがちなのです。
その場その場のことしか考えていないため、目の前の相手に対して優位に立てれば問題がないと考えているのです。
このタイプは責任を人に押し付けることも珍しくないのが特徴です。
場合によっては発言したこと自体を忘れていたり、都合よく記憶を組み替えることもあります。
コミュニケーションをとろうとしても話の筋が見えなくなりがちで、真面目に向き合おうとする人ほど損をしてしまいがちになります。
本人が自分自身に問題を感じることがほとんどないため、関わらないのが一番と言えます。
積極的にかかわろうとするとトラブルに巻き込まれてしまう可能性が高まるため、注意が必要です。
虚栄を張ることで誰かが助けてくれると思う
虚栄心の強い人の中には、誰かが自分を助けてくれると都合よく解釈しているケースがあります。
これは自分の能力や功績を大きく見せることで、それに惹かれた人間が集まっていると信じているからです。
嘘をつくリスクよりも虚栄を張ることによって味方を集めるメリットがあると信じているのです。
そのため、何かミスがあっても他の誰かが対応してくれると思っています。
自分が責任をとることや、被害が及ぶことは全く想像していないのです。
一度成功体験をすることでそれが妄想に替わってしまうケースも多いのが特徴です。
実際に虚栄を張ることのリスクを認識する事は難しく、仕事やお金を失って初めて正気に戻る場合もあります。
人が離れていくのを自覚することで立ち直る場合もあるため、付き合い方には注意が必要です。
みな同じように嘘をついているものだと思っている
虚栄心の強い人の中には世の中がみな虚栄心が強い物だと思っている人がいます。
自分は普通であり、何も悪いことをしていないと言う認識なのです。
人間はみな裏表があり見栄を張るものだと思っているため、嘘をつくことにも罪悪感が無いのが特徴です。
そのため、何か問題があっても責任をとろうという発想がなく、責任を取らされるなら他のやつも責任をとらなければおかしいと考えてしまうのです。
自分だけが悪いという発想はなく、問題があると人を巻き込むのも特徴と言えます。
法律に関する意識なども弱く、詐欺などの犯罪に意図せず加担することも多いのが特徴です。
仕事で関わる相手であれば、事実に基づく情報を提供するように徹底する必要があります。
データのごまかしや改竄の恐れもあるため関わる側の注意が必要になるのです。
虚栄心の強い人には自覚してもやめられない人がいる
虚栄心の強い人の中には、自分が虚栄心が強いことを自覚しつつやめられない人もいます。
これは人への自慢や能力を誇示すると快感を感じやすいためです。
一度自慢が始まると、気分が良くなってしまいブレーキが利かなくなってしまうことが多いのが特徴です。
自慢だけでなく、お酒の席で借金をしてでも人に料理などを奢るなど、ちぐはぐな行動をとりがちです。
本人の中で反省はあっても、また自慢話などが出来なくなることを恐れてしまい本音を打ち明けられない場合があります。
改善のためにはカウンセリングなどが有効ですが、本人の虚栄心が邪魔をして治療を受けられないことが多いのも特徴です。
精神科や心療内科に通うことに心理的な抵抗を覚える人も多いからです。
罪悪感があっても行動パーンを変えられない場合が多いのが特徴と言えます。
虚栄心はプライドが密接に関係している
いかがでしょうか。
このように、虚栄心が強い人は大変複雑で難解な心理を持っているものです。
そして、見てきたように「根は気の弱い善人」ということもできるのです。
ですから、「虚栄心が強い人=嫌な人、悪人」という先入観は持たないでつきあうことをおすすめします。
また、もしあなたの仕事が上手くいっていなかったり、職場での悩みがあるのであれば「仕事ができない人の特徴とその対処法9つ」もあわせて読んでみましょう。きっと今までの悩みや問題が一瞬で解決できるキッカケをつかむことができるはずですよ。