利益を上げるために役立つ4つの原則
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ビジネスを存続させるためには利益を出すことが必要不可欠です。
しかし最前線の現場で働いている人は売上ノルマ達成にのみ注力し、
一番大事な利益を軸に行動している人は少ないのではないでしょうか。
「利益を上げる」ことに重きを置かないと、
売上が上がった。
でも利益が上がらない、もしくは下がった
↓
利益を上げるためにもっと売上を増やさなければ!
といったループに陥ってしまうことも少なくありません。
さらに利益を出せないと人員を整理されて、
会社を辞める、仕事を変えることになります。
利益を主軸に考えることはあなたがビジネスマンとして生きていくためには必要不可欠なものです。
そこで本日は現場でもざっくりわかる
「売上」ではなく「利益」を上げるために
必要な4つの原則を「利益の方程式」からご紹介します。
利益を上げる4つの原則
出典
利益を上げるための4つの原則
利益 = (顧客単価 – 顧客獲得コスト – 顧客原価) × 顧客数
- 顧客単価を1円でも、2円でも上げる努力をすること
- 顧客獲得コストを限りなく0に近づけること
- 顧客原価を、顧客が感じる価値を損なわないようにしながら、限りなく小さくすること
- 顧客数を市場浸透度とのバランスを取りながら、増やしていくこと
この方程式の利点は、
管理がしやすいという点と、
あまり細かい計算が必要ない点がメリットであると伝えています。
会計の複雑な費目をとりあえずはこのように4つに単純化してしまって、
誰もが直感的にわかるところまで、すなわち組織の現場レベルまで、
落としこむのがコツなのです。
そのメリット重視しているため
会計利益と比べて10~20%前後の誤差があっても良しとしています。
それでは1つずつ見ていきましょう。
顧客単価を上げる
顧客単価を1円でも上げることは
利益を上げるために最も重要な点であると本書では伝えています。
なぜなら、
顧客の原価削減は顧客単価の範囲でしか行えないためです。一方、顧客単価は理論的にはいくらでも上昇させることが可能です。
また10%程度の値段の違いはさすがに顧客は気づきますが、
2~5%程度であればほとんど気づかないとのこと。
5800円の商品があれば6000円にすることで200円、
単価を上げようということですね。
また顧客単価を上げるテクニックとして
「松・竹・梅の価格設定」
と
「オプション付加」
があります。
「松・竹・梅の価格設定」は1000円 2000円 3000円のコースなど
3つのグレードに分けた商品がある場合、
多くの人は真ん中のグレードを選択することが多いので
顧客単価を上げるテクニックとして幅広く適用されています。
また「オプション付加」は
メインの商品を買った顧客にプラスでちょっとしたものを購入してもらうことです。
例えば、
スマートフォンを購入したらカバーケースと液晶フィルムを勧められて
一緒に購入することや、
ファミリーレストランで定食を頼んだ時、
体に良いとの理由で追加料金を払って白米を玄米にするなどですね。
価格の大きい買い物をした直後の顧客ほど感覚が麻痺してしまうので
「オプション付加」は顧客単価アップにかなり大きなポイントとなるでしょう。
また例外的に1円ビジネスのような利益をしっかりとだせるモデルも存在します。
顧客獲得コストを限りなく減らす
理想の状態は顧客獲得コストが0の状態です。
つまり宣伝しなくても顧客が来てくれる状態のことですね。
本書では「獲得しやすい客」と「儲かる客」は違うと述べています。
インターネットプロバイダーや英会話スクールの契約などで、
当初無料キャンペーンのような仕組みで顧客を獲得することがあります。(中略)
無料というサービスに食いつきやすい顧客というのは、
価格感受性の高い顧客でもあり、要は「渋い客」なのです。そのため、加入後になかなか顧客単価が上がらなかったり、
あるいは、他に無料サービスが出てくると、
さっさとそちらに移ってしまいます。
このことからまずは自分のビジネスにマッチする
顧客をしっかりと選択することがとても大切なことがわかります。
そして以下の流れになる仕組みを作ることがポイントです。
顧客満足度を上げる
↓
リピーターになってもらう
↓
ロイヤリティの高い顧客が集まる
↓
口コミが広がりやすい状態
↓
結果、顧客獲得コストを下がる&顧客単価が上がる
(ロイヤリティが高いと顧客単価が上がりやすくなる)
という流れを意識することが大切ですね。
まずは顧客を感動させるようなサービスを提供することから
全ては始まります。
顧客原価を下げる
顧客原価は、食材、設備、稼働率、人件費などが当たります。
顧客原価を下げることは利益を上げることにつながりますが、
何でも原価を下げれば良いわけではありません。
原価を下げ過ぎると品質が悪くなり、
あっという間に顧客離れを引き起こしてしまうからです。
顧客原価で大事なことは、
むやみやたらにケチるのではなく、
顧客が価値を感じるところには必要なコストをかけ、
そうでないところは徹底してコストを省く、
というメリハリをつけることになります。さらに言うと、
顧客が価値を感じていないところは堂々と原価を削って、
無駄を避けたほうがいいということになります。
無駄というのは過剰な品質や、設備投資、人員投資のことで、
「万が一に備えた保険」みたいなものです。
この無駄という点に関してこのような例をあげています。
ガラゲー主流の時代に
NECは市場シェアの50%近くを占めていました。
その時に、
自社で巨大な生産能力を持つ
携帯電話製造設備を作りこんでいましたが、
いつまでもそのシェアが続くことはありませんでした。
結果、ドコモのシェアが下がり、
ドコモ内のNECのシェアも落ち込むと、
それまで過剰なまでに投資していた設備や人員が仇となり、
NECの収益性悪化の最大の原因の1つとなってしまいまいした。
一方で「Nintendo DS Lite」を思い出して下さい。
一時期、どこも品切れ状態が続いていたことを覚えているでしょうか。
これは、Nintendoは原価管理という面から合理的に判断し、
NECのような需要のピークに合わせた投資を
行わなかったためだそうです。
顧客数を増やす
顧客数を増やす時に大事なことは、
提供者の商品またはサービスを何らかの形で体験してもらって、
信頼を獲得することです。とくに、最初に試したいと思うものについては、
かなりハードルを低くしておく必要があります。
「顧客獲得コストを下げる」点と矛盾していると
思われるかもしれませんが、
どの顧客ターゲットに向けてやるかで変わってきます。
潜在顧客を見定めて、
そこを掘り出していくイメージですね。
例えば、
高級料理店が昼間に格安でランチを提供すること。
また、前に共同購入型クーポンサイトで
ハーゲンダッツが105円で提供していたのも、
「ハーゲンダッツが105円」で利用者を集め、
サイト会員&クレジットカードを一度登録してもらうことで、
別のクーポン購入のハードルを大幅に下げることにつなげたり、
今だと、
クックパッドのようにサービスを一部制限して
無料で提供することが当てはまるでしょう。
ターゲット選定が間違っていなければ
顧客満足度アップにつながり顧客単価アップに貢献することになります。
仮説→実行→検証
本書では4つの原則、
全てに仮説・実行・検証を行なう方法を伝えています。
手当たり次第にやってみても、
どの部分がボトルネックになっていたのかわからないと
次の施策が遅くなり、ライバルに追い越されてしまうかもしれません。
それを防ぐためにしっかりと検証できるデータを取れる状態にしてから
行なうことが大前提になると思います。
今回ご紹介したのはほんのごく一部ですので、
もっと深くそれぞれの項目について知りたい方は本書を読んでみて下さい。
きっと今までの悩みや問題が一瞬で解決できるキッカケをつかむことができるはずですよ。