言葉の暴力【職場編】5つ
言葉の暴力は職場でよく見られるものです。
仕事をしていれば誰でも失敗をすることはあります。
それをただ叱られるのなら納得もいきますが、あからさまな暴言を吐かれてはいませんか?
「でも失敗をしたわたしが悪いんだから…」とクヨクヨする前に、こんな言葉をぶつけられていないかチェックしてみることが大切です。
そこで今回は職場の言葉の暴力をご紹介しますので、ぜひあなたのケースにも当てはまるかどうか確認しながら最後までご覧ください。
職場における言葉の暴力
バカ、マヌケ、ノロマ
この三つは非常に子供っぽい罵詈雑言ですが、大人になってからもよく聞かれるものでもあります。
こんな稚拙な言葉でも、仕事のミスを責める時にたびたび使われると、はじめは受け流せてもだんだん「あんな失敗するなんて、実際間が抜けてたよな…」「確かに仕事遅いもんな…」と思ってしまうもの。
しかし、これらは完全にただの幼稚な罵倒です。
こんなボキャブラリーしか持ち合わせない人にバカ呼ばわりされたくないですよね。
こうした言葉を浴びせられたら、いつ、誰から、何度くらい言われたかをメモしておきましょう。
こんな言葉でも場合によってはパワハラとして訴えることはできます。
お前、てめえなどの荒っぽい人を指す言葉
男性にとっては少し意外かもしれませんが、人を呼ぶときに名前で呼ばないことも立派な言葉の暴力です。
れっきとして名前を持っている個人への尊重を著しく欠き、また恫喝的な響きを持つ人称代名詞を使うことは、大人の社会では許されざる行為なのです。
男性社会ではしばしば使われている言葉ではありますが、いまどき男性だけで構成されている必要のある職場もそう多くはありません。
では、「お前」、「てめえ」、「おい」などの言葉で呼びかけられ、返事をする女性がいるでしょうか。
一人もいないはずです。
それどころか、気の弱い人なら泣き出してしまうことでしょう。
それくらいには恐ろしい言葉なのです。
これらの言葉に、無意識に返事をしていませんか?
また、無意識に使ってしまってはいませんか?
男性はこうした言葉への抵抗感が薄いので、気をつけておきたいところです。
給料泥棒
営業などの部署は、何よりも数字がものを言います。
とってきた契約の件数、売り上げた商品の個数、足を運んだお客様先の件数など、いろんな数字が飛び交います。
それらの数字を根拠に、「給料泥棒」という言葉を浴びせられたことはありませんか?
「○○を見てみろ、お前はあいつに食わせてもらっているんだぞ!」などと成績のいい同僚を引き合いに出されたりすると、何も言えなくなってしまいますよね。
しかし、たとえ契約が取れようと取れまいと、商品が売れようと売れまいと、あなたがきちんと意欲を持って仕事をしていたのなら責められるいわれはないはずです。
もしもどこかでサボって昼寝をしたりしていなかったとしたらこれは全くもって不当な言葉で、暴力といって差し支えのないものです。
使えない、役立たず系の言葉
入社試験を突破して晴れて仲間に加わったあなたに対して、「使えない奴」だの、「本当に役立たずだな」だの言うのは、本来ならおかしなことです。
もしあなたが本当に役に立てていないとしても、文句を言うべきはそんな人間を入社させた採用担当者、もしくはあなたを活躍できない部署へ配属した人事担当者であるはずです。
第一、こんなことを言われたら、ひたすら落ち込むか右から左へ聞き流すかのどちらかですよね。
「じゃあ、これからは役に立てるように頑張ろう!」なんて思う聖人君子がいたらお目にかかりたいものです。
たとえあなたが目も当てられないほど仕事のできない人であっても、あなた個人にこうした罵倒を向けることは何の解決にもなりません。
この種の言葉自体が、発した本人のストレス解消以外の何の役にも立たないものだということは、理解しておいてもらいたいものですね。
やめさせるぞ、クビにするぞ
これもまた、よく聞かれる言葉の暴力です。
しかし、言われた方は恐ろしいけれど、冷静になって考えれば変な言葉です。
いかにその人の権力が社内で大きいとしても、たった一人の訴えで一度採用した社員を追い出すことができる会社がどれくらい存在するのでしょうか。
採用活動にもその後の教育にもお金はかかっています。
利潤を追求するために設立される会社という組織が、それらの投資を投げ打ってまで社員一人のクビを切って、場合によっては不当解雇だと訴えて出られるかもしれないリスクを負うでしょうか。
どう考えてもあり得ません。
ことほどかように馬鹿馬鹿しい恫喝ですが、言われた方は「このままでは生計の道を失うかもしれない…」というとても怖い思いをしますよね。
あり得ないことを言ってはいますが、これも立派な言葉の暴力です。
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言葉の暴力への対処法
録音して証拠を残しておくようにする
言葉の暴力は、例え身体的に危害が加えられていなくても、立派な暴力です。
あまりにも限度を超えて続くようであれば、相手に制裁をもたらすことも必要になってきます。
ただし、言葉の暴力というのは、一般的な身体的な暴力と違って、外傷が残らないため全治何週間などといった診断書をとることも難しいです。
この場合、言葉の暴力を言われているときに録音をするようにしておきましょう。
今時は携帯電話でもできますが、あまりにも頻度が多いようであれば、データ容量の大きさや管理のしやすいレコーダーを使用するほうがおすすめです。
言葉の暴力が始まった段階で携帯をいじりだすのも少し無理がありますので、ポケットにレコーダーを忍ばせて置きましょう。
大体のレコーダーのデザインが録音開始ボタンが一番大きく作られていますから、ポケットの中で操作するなど、うまい具合に気づかれないように録音しておきましょう。
心に異変を感じた場合は、心療内科を受診する
あまりにも毎日言葉の暴力を受け続け、自分の精神状態に異変を感じたら、すぐに心療内科を受診するようにしましょう。
心療内科を受診することは恥ずかしいことでも珍しいことでもありませんし、心療内科は特に守秘義務を徹底しています。
例え夫婦であろうとも症状をよそに漏らすことはありませんので安心してください。
また、精神的な異変を放置し続けると、そのうち、動機やパニックなど、身体的にも症状が現れるようになり、ますます悪化をたどる一方となってしまいます。
今は精神的なことでも薬で症状の緩和をすることが出来るようになってきていますから、心療内科に頼るようにしましょう。
また、具体的な診断名がつかなくとも、心療内科の先生に事情を話し、必要であれば、「~からの言葉の暴力により、うつ状態」といったような診断書を書いてもらうこともできるケースがあります。
日記をつけるようにする
頻繁に行われる場合は特に、日付入りでできるだけ具体的に、どんなことを言われたのか日記をつけるようにしましょう。
どんなシチュエーションで、あなたが何をしたときに相手がどんなことを言ってきたのか、どう展開したのか思い出せる範囲でもいいので、できるだけ具体的に書くようにしましょう。
基本的に、言った方は覚えていないことがほとんどですから、相手に「あの時こんなこと言ったでしょう」といっても無駄です。
また、夫婦関係などの場合は、モラハラによる離婚の成立を裏付ける資料としても、日記は役に立ちます。
一見、自分がただ書いただけの日記なんて、物的証拠にはならないと思われがちですが、離婚調停などの場においては日記も重要な参考物となります。
思い出すのもつらいようなことを言われてしまっている場合は、大変辛いでしょうが、日記に細かく書いておくことをおすすめします。
録音などを聞かせて自覚させる
まだ関係の修復が可能で、相手が知らず知らずのうちに言葉の暴力にエスカレートしているという場合は、一度録音を聞かせてみるのも一つの手です。
相手に全く自覚がなく、いつもの夫婦喧嘩のつもりで、言い合っているつもりになっていることもあるからです。
冷静になってその録音を聞いたときに、「自分ばかり一方的に、話の趣旨とはずれた暴言ばかりを吐いている」「人として、パートナーとして言ってはいけない言葉を選んでいる」ということを自覚することが出来れば、少し症状が緩和することもあります。
ただし、人によっては録音していたこと自体に憤りを覚え逆上して来たり、中には「お前が悪い、お前が俺にここまで言わせているんだ」と火に油を注いでしまうこともありますので、冷静に話が出来る状態で、できればだれか第三者と一緒にいるときにする方がよいでしょう。
言葉の暴力は職場に蔓延している
いかがでしょうか。
仕事をしていればいろんなことがあります。
ときには叱られ、またときには叱る必要があることもあるでしょう。
パワハラの概念が浸透してきた昨今、不適切な語彙を用いられていないか、用いようとしてしまっていないかには敏感になっておいた方がよさそうです。
また、もしあなたの仕事が上手くいっていなかったり、職場での悩みがあるのであれば「仕事ができない人の特徴とその対処法9つ」もあわせて読んでみましょう。きっと今までの悩みや問題が一瞬で解決できるキッカケをつかむことができるはずですよ。