社会人1年目での転職は甘え?新卒一年で辞める割合と判断方法を徹底紹介!

初めての就職から1年で転職することについて、多くの人が悩むものです。スキルアップやキャリアアップを目的に転職する人もいますが、同時に周囲からは「甘え」と批判されることもあります。

しかし、転職を考える際には、そのような批判よりも自分自身が望む将来のキャリアやライフスタイルを見据えた上で慎重に判断することが大切です。

このような状況を踏まえ、初年度の転職が本当に甘えなのかどうかを考えてみましょう。


新卒一年で辞める割合

まずは新卒1年で辞める人の割合を見ていきます。

以下は厚生労働省が公表している「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)」です。

新規学卒就職者の離職状況(平成 31 年3月卒業者)

出典元:新規学卒就職者の離職状況(平成 31 年3月卒業者)

1年以内に辞めてしまう人の割合は、黄色のバーで表示されています。

令和3年では以下の割合で、新卒で入社した人が辞めています。

  • 高卒:16.6%
  • 短大等卒:18.3%
  • 大卒:12.2%

このデータから学歴が高い人たちほど辞める割合が低いと言うことが分かります。

恐らく、学歴が高い人たちは、大学や専門学校で専門的な知識やスキルを学び、それを仕事で活かすことができるため、一般的に高い能力やスキルを持っているとされます。

また、高い学力を身につけるために多くの時間や労力を費やしてきたため、そのような努力や経験が、仕事で必要な能力やスキルを身につけるための基盤となっていると考えられます。

もちろん高卒であっても能力やスキルを持っている人は多く存在します。

しかし、一般的には、学歴が高い人たちほど、専門性の高い仕事に就くことが多いのが現実なのでしょう。

また、令和2年と比較して令和3年では辞める人の割合が高くなっています。

これは新型コロナウイルスの影響によりリモートワークを導入したり、残業時間を削減するなど、働き方の改革を進めたことが、一部の新卒社員にとっては、不満やストレスとなり、会社を辞める理由となった可能性があります。

また、業績悪化によるリストラや解雇などの人員削減を行い、その結果、新卒採用を減らしたり、社員の雇用条件を悪化させたりしたことが、新卒で会社を辞める人の増加につながったことも否定できません。

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新卒1年目で退職する理由

新卒1年目で退職する理由について、「Biz Hits」が行った調査結果が発表されました。その結果が以下です。

  1. 職場の人間関係が悪い
  2. 長時間労働・休日への不満
  3. 仕事内容が合わない
  4. 求人内容と現実が違う
  5. 給与が低い

最も多かったのは「職場の人間関係が悪い」で、119人がこの理由で退職したと回答しました。

次いで、86人が「長時間労働・休日への不満」、66人が「仕事内容が合わない」と回答し、それぞれ2位と3位となりました。また、4位には「求人内容と現実が違う」が31人、5位には「給与が低い」が26人となりました。

その他には、「他の仕事がしたい」が24人、「残業代・給与の未払い」が23人、「勤務地に不満」が16人、「体調不良・怪我」が14人、「成長できない」が12人と続きました。

出典元:新卒1年目の転職は厳しい?転職理由やタイミングを381人にアンケート調査

これらの結果から、職場の人間関係や労働時間、休日の取り扱い、仕事内容の適合性に不満を持ち、そのために退職する人が多いことが調査結果から明らかになりました。



社会人1年目での転職は甘え?

社会人1年目に転職することは、一般的にはあまり良く思われていません。転職する理由によっては、「甘えている」「根性がない」といった批判的な意見も聞かれます。

しかし、私の独自調査によると、60名の人に対して社会人1年目での転職についての甘えについて問いかけたところ、11人が「甘えだ」と回答し、一方で49人が「甘えだとは思わない」と回答しました。

まずはそれぞれの意見を見てみましょう。

甘えだと思わない人の意見

まとめると5つの意見に分類することができます。

  • 自分に合わない環境で働くことがストレスや健康に悪影響を与えるため、転職することは甘えではない。
  • 新卒で入社した会社が合わない場合は、早めに転職して次に進むことが大切である。
  • 職場の雰囲気や人間関係が自分に合わない場合、無理をして働き続けるよりも転職するべきである。
  • 自分の天職が他にある場合や、やりたいことが他に出てきた場合は転職しても甘えではない。
  • 労働環境や同僚の人間性があまりにも悪い場合は、何年目であろうと転職するべきである。

転職をすることは自分自身を大切にすることであり、合わない会社や仕事環境で働くことは時間の無駄であるという意見が多数ありました。

また、新卒で入社した会社が必ずしも良い会社とは限らず、転職をすることは失敗を正すことであり、前向きな行動であるとの意見もありましたし、さらに、体調を崩してしまうような精神的にバランスを崩した職場環境で働くことはやめ、次のステージに進むことが大切であるとの考え方の人もいました。

以下は「甘えだと思わない人たち」の意見の一部です。

  • 人を大切にしない企業や、本人に合わない企業は確かにあると思うから。また、他にやりたいことが見つかるかもしれないから。
  • 行きたくてそこに入社した人ばかりではないし、何より人間関係が最悪なまま仕事を続けると精神的にバランスを崩してその後が酷いことになる。今は転職も昔よりは気軽にやっていいと思うので、一年目であっても耐えられないなら転職すべき。ただあまりに早く(一ヶ月までとか)で辞めるのはそれはそれで論外。
  • 新卒で入った会社が良い会社とは限りません。また若いうちは何にでも取り返しがつきます。早めに見切って次に進むことは悪いことだとは思わないからです。
  • 入社した会社との相性は実際に働いて分かるところもあるから。
  • 本人に確固とした目標があり、就職した会社ではそれが実現できないと分かったのであれば、むしろ早い方がいいと思うため。
  • 転職する理由によると思います。ただなんとなく仕事が嫌になっただけなら甘えですが、他にやりたい事が出てきたり他で自分の力を試してみたいといった理由なら甘えではないと思います。
  • 自分が嫌だと思ったら別に辞めてもいいと思う。なんならその勇気すごいなと思う。会社に迷惑をかけない辞め方だったらOK。
  • 就職活動をしていた時に知らされていた情報が何一つ自分自身に返ってこないと分かったことがあるから。与えられる情報が体のいい建前でしかないこともあるので。就職してみて知らされる内情とかけ離れている場合は仕方がないと思います。
  • 実際に働いてみないと自分が思っていることとのギャップはわかりません。また職場の人間関係もわかりません。特に後者は実際に仕事を進めていくうえでわかっていくことだと思います。だからその職場は1つの経験と思ってスッキリと転職すればいいと思うからです。
  • 合わない会社で働いて心身の健康を損なってからでは遅いからです。自身が就職氷河期世代なので痛感しています。終身雇用も崩壊しつつありますし、転職できる環境下にあるのでしたら早く動いた方がいいです。特に心の健康を損なってしまうと、転職活動はおろか、日常生活も場合によっては困難になりかねません。まだ年齢の範囲内であればワーキングホリデー等、海外で働くのを視野に入れるのも良いと思います。

ではもう一方の意見はどうでしょうか。

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甘えだと思う人の意見

  • 1年未満では自分の適性を判断することができないと思うから
  • 大学生気分で、まだ仕事自体を理解していないと思われるから
  • ただ合わないというだけの理由であれば、甘えだと思うから
  • 嫌でも3年ぐらいは働いてみないと分からないと思うから
  • 一年では仕事のノウハウを学びきっていないと思うから

これらの意見から、社会人1年目での転職には、耐える力や覚悟が求められることがわかります。

また、転職理由が単純に「合わない」というだけであれば、それは「甘え」と見なされる傾向があります。

適性を見極めるためには、1年以上働くことが必要だとの見方が多く見られました。

以下は「甘えだと思う人たち」の意見の一部です。

  • 耐える能力がなさすぎる。1年は続けるべき
  • 就職活動の中である程度自分の就きたい職業を絞り込んでいるはずなのに、自分には向いていないとすぐあきらめてしまうが残念だと思うから。
  • 一年では仕事のノウハウを学びきっていないと思うから
  • よほどのことがあれば仕方がないかもしれないが就職するまでに自分でこの会社だと決めたわけだからある程度の覚悟はできてほしい、何かを得てからとか納得してからでないと次につながりにくいのではと思うから。
  • 1年未満ではすべての状況を把握することが難しいと思うから

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実際に転職した人は満足しているのか?

次に、転職したことで満足度は高まっているのかどうか確認してみましょう。

いざ転職したとしても「こんなはずではなかった…」と後悔するケースももちろんあります。

どうせ転職するなら満足したいと思うものですが、現実は一体どうなのか?

こちらも厚生労働省が就業者全体と転職者の職業生活全体の満足度を比較したデータを公表しています。
就業者全体と転職者の職業生活全体の満足度の比較

出典元:転職者の職業生活全体の満足度について

このデータから以下のことが分かります。

  • 転職した人の方が満足度が高い
  • 特に15~34歳層で満足度が高い

転職した人の方が満足度が高い傾向があることが分かります。
中でも15~34歳層で満足度が高くなっているのは、新卒で転職するべきかどうか迷っている人にとっては特筆すべき点でしょう。

さらに言うと、45~54歳層で不満を感じる者が相対的に多くなっていることにも注目です。

つまり、転職するのであれば早ければ早い方が満足度が高くなり、遅くなればなるほど不満を感じやすくなると言うわけです。



1年目で転職することのメリットとデメリット

データ的には転職するなら早い方がいいのは分かったけど、本当に満足できる転職ができるのかどうか心配する人も少なくないでしょう。

ここでは新卒1年目という早い段階で転職するメリットとデメリットを比較してみます。

1年目で転職することのメリット

スキルアップの機会がある

新卒1年目での転職は、スキルアップの機会があるというメリットがあります。

初めての職場で働く際には、業務に必要なスキルを身につける必要があります。しかし、職場環境や職場の方針によっては、スキルアップに必要な環境が整っていないことも残念ながらあります。

そのような時に、別の職場に転職することで、スキルアップの機会が広がります。

また、転職によって、新しい職場で働くことで、これまで身につけたスキルを活かしながら、新たなスキルを身につけることができます。これにより、スキルセットを充実させることができ、将来的なキャリアアップにも繋がります。

様々な業界や職種を経験できる

新卒1年目での転職には、様々な業界や職種を経験できるというメリットもあります。

自分に合った職場や職種を見つけるためには、様々な経験が必要です。しかし、一つの職場で長期間働くと、新しいことに挑戦する機会が減ってしまいます。

一方、新卒1年目での転職は、様々な職場を経験することができるため、自分に合った職場や職種を見つけることができます。

また、業界や職種が異なる職場で働くことで、新しい知識やスキルを習得できるため、自己成長にも繋がるメリットがあります。



1年目で転職することのデメリット

新しい職場に適応するまで時間がかかる

新しい職場では、業務内容、職場の雰囲気、人間関係、ルールや制度などが前職と異なる場合があります。そのため、新しい環境に慣れるまでに時間がかかり、最初の数ヶ月は不安定な状態が続くことがあります。

また、新しい職場での仕事が前職と異なる場合、業務のスキルを習得するまでにも時間がかかることもあるでしょう。そのため、新しい職場に適応するまでの過程は、精神的にも肉体的にもストレスを感じることがあります。

給与が低くなる

新しい職場での初任給は、前職の収入よりも低くなる場合があります。

これは、前職での経験やスキルを評価されることができないため、新しい職場では初心者としてスタートする必要があるからです。

初任給が低くなると、生活費の調整が必要になり、将来のキャリアプランにも影響が出る可能性があります。そのため、転職前に収入面をよく考慮し、リスクを把握することが大切です。

周りからの評価が低くなる

新卒1年目での転職は、周りからの評価が低くなる可能性があります。

特に、短期間での転職は、「根性がない」「甘えだ」といった評価を受けることがあるためです。また、転職理由がわかりづらい場合や、前職での業務経験を活かせない職種に転職した場合は、周りからの理解を得るのが難しいこともあります。

そのため、転職理由や職務経歴書の作成には十分に注意が必要です。



1年目で転職した方がいい場合

「ピコキャリア」では以下のように「辞めた方がいい職場ランキング」を独自調査で後悔しています。

辞めた方がいい職場ランキング

出典元:ピコキャリア「辞めたほうがいい職場ランキング 実際に「退職・転職」を行った方の口コミも紹介しながら見切りをつけるべき会社をチェック

1位は人間関係が悪いこと、2位は給与面の問題があること、3位は労働時間・休日の条件が悪いこと、4位は会社の将来性がないこと、5位は仕事に対する評価がされないことが挙げられます。

これらの要因が、従業員の退職や転職を引き起こしていると言っていいでしょう。



1年目で転職しない方がいい場合

成長やスキルアップの機会がある場合

現在の職場でスキルアップの機会があり、成長が見込める場合は、1年目で転職する必要性はありません。今の職場でしっかりと経験を積み、スキルアップに努めることがキャリアアップにつながります。また、転職することでスキルアップの機会が損なわれることもあるため、現在の職場でスキルアップに取り組むことも大切です。

職場の人間関係が良好な場合

職場の人間関係が良好である場合は、1年目で転職する必要性はありません。良好な人間関係はストレスを軽減し、やりがいを感じることにもつながります。そのため、今後のキャリアアップのためにも職場の人間関係を維持し、スキルアップに取り組んでいくことが重要です。

転職がキャリアにマイナスとなる場合

業界や職種によっては、1年目での転職がキャリアにマイナスとなる場合があります。短期間の勤務歴が多くなると、転職回数が多い印象を与え、次の転職に不利になることもあります。また、転職回数が多いと就職先の選択肢も限られるため、転職を行う際には慎重に判断することが大切です。



1年目で転職するべきかどうかの判断基準

キャリアプランに合致するかを検討する

自分の将来のキャリアプランに照らし合わせ、転職先の職務内容や業界、企業文化などが自分に合致しているかを検討する必要があります。自分が望むキャリアアップやスキルアップを実現するためには、転職先が適していることが重要です。

転職先の将来性や安定性を確認する

転職先の企業の将来性や業績、安定性を調べることが重要です。また、福利厚生やキャリアアップの機会なども重要な要素です。将来にわたって働き続けたい企業であるかを慎重に検討しましょう。

現在の職場で成長やスキルアップの機会があるかを確認する

現在の職場で、スキルアップや成長の機会がある場合は、1年目で転職する必要はありません。

転職は一生に数回あるかどうかの大きなターニングポイントです。現在の職場で、自分が望むスキルアップや成長が可能であるか、しっかりと検討しましょう。



まとめ

就職初年度で転職することについて、多くの人が悩むものでしょう。

新卒1年目で辞める割合は学歴が高いほど低く、職場の人間関係や労働環境が退職理由の上位を占めます。そして一般的には初年度の転職が甘えと見られがちですが、独自調査によれば、多くの人が甘えだとは思っていません。

自分に合わない環境で働くことがストレスや健康に悪影響を与えるため、早めに転職して次に進むことが大切との意見が多いのが現実です。

従って、無理はせず、むしろ転職の満足度を高めるために、甘えだとは感じずに早めに転職した方が満足度は高くなるでしょう。

また、もしあなたの仕事が上手くいっていなかったり、職場での悩みがあるのであれば「仕事ができない人の特徴とその対処法9つ」もあわせて読んでみましょう。

きっと今までの悩みや問題が一瞬で解決できるキッカケをつかむことができるはずですよ。



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