否定的な人とは?特徴・心理・言葉と否定的な性格の直し方や対処法
否定的とは、相手の言うことや、やることに対して「ノー」を突きつけるような行為のことです。
つまり、「受け入れない」、「拒否する」と言った意味合いがあります。
反対の言葉には、肯定的があります。
一部の人の中には否定する行為自体が癖になってしまうている人も少なくありません。
これはかなり悪い兆候と言ってもいいでしょう。
そこで今回は否定的な人の特徴や付き合い方、対処法などをご紹介していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
【目次】
否定的な人の特徴や心理とは
自己顕示欲が強く注目を集めたい
何かというとすぐ否定する人には、自己顕示欲が強いという心理的特徴があると考えていいでしょう。
たとえば、職場のミーティングに参加するとします。
それぞれが自分の意見を述べ合うわけですが、ある人が口にした意見についての考えを問われた時、「自分も同じ意見です」と答えたなら、参加者の注目を集めることはできません。
同調する意見を述べる人は、先にその意見を話した人に隠れて、目立つことがないのです。
そうではなく、「自分はその意見には反対です」と答えれば、ミーティングに参加している人は、その発言者に注目するでしょう。
それは「反対する理由を知りたい」と、参加者が思うからです。
これは、何も大勢の会議やミーティングに限ったことではありません。
数人の友達で話している時でも、人が話したことに対し、「それは違うよ」と口を挟む人がいれば、ほかの人はみなその人の言葉を聞こうとするでしょう。
人が言ったことに「そうだね」と同調する人は注目されませんが、「ちがうね」と否定する人は、常にその場にいる人に注目されるのです。
なんでも否定する人には、そのことを意識しているケースが少なくありません。
否定することで目立つ存在になりたいという自己顕示欲の強さが、否定的な人の特徴ということになるでしょう。
自分は頭がいいと思っている
否定的な人の多くは、人一倍自信家と考えていいでしょう。
人が言ったことをすぐに否定し、反対意見を述べるのは、それだけ自分の思考力に自信があるからにほかなりません。
たとえば、Aさんが発言したことに対して、それを否定し、反対意見を述べるとしましょう。
その際、Aさんの意見よりも説得力のある話し方をすることができなければ、否定したことにはなりません。
否定的な人は、否定する自分の意見に説得力を持たせようとしますが、そのために必要なのは「考える力」です。
考える力が人よりも優れていて初めて、人の意見を否定することができると考えていいでしょう。
相手よりも思考能力が優れているという自負があるのが、否定的な人なのです。
それは、人と話をしている時ばかりではありません。
否定的な人は、たとえば、テレビ番組のコメンテーターの発言を、否定するということもよくあります。
その場合も、そのコメンテーターよりも自分の方が頭がいいと思っているのです。
実際に、人の意見を否定して、それをほかの人に納得させることが少なくないため、それが自信につながると考えていいでしょう。
自分の考えに固執する
対話とか会話というのは、お互いに自分の考えを述べると同時に、相手の考えにも耳を傾けることで成り立つと考えていいでしょう。
正反対の意見を持っている人同士が対話をする場合、話を進めていくうちに、お互いに歩み寄り、意見をすり合わせるということが少なくありません。
意見が衝突した場合でも、歩み寄ることで意見を調節するのが、対話であり会話であるわけです。
否定的な人はそういう歩み寄りをしようという意識を持ちません。
人の意見を聞くと、それとは反対の意見を述べるのが否定的な人なのですが、相手の意見を否定するばかりで、自分とはちがう意見に耳を傾けようとはしないのです。
ですから、相手がていねいに自分の意見についての説明を尽くしたとしても、最初から最後まで、その意見に歩み寄ろうとはしません。
自分の意見や考えに固執し、人から何を言われようと、どんな説明を受けようと、自分の意見を変えようとはしないのです。
一言でいうとガンコなわけですが、人の意見も尊重しようという意識を全く持っておらず、どこまでも自分の意見に固執するのが、否定的な人の特徴と言うことになるでしょう。
否定的な言葉とは
「よく出来ているんだけどね…」など
直訳すると「出来ていない」という意味になります。
よくビジネスの場で、上司が部下を傷つけないようにしようといった配慮から来る発言です。
出来ていないと直球で言うのは相手にとって失礼にあたるので、あえてこのような言い回しをすることがあります。
ですが、後半部分の「けどね…」といった部分で否定形の意味が入っているので、この後否定的な事を言われるんだなと想定される言葉使いになっています。
配慮としては実際問題は無いのですが、神経質な人やマイナス表現に極端に敏感な人の場合、この言葉でさえ否定的と捉えてしまうでしょう。
その場合、例えば「〇〇にしたらもっとよくなると思うんだけど、どうかな?」といった、「けど」「しかし」「だって」「でも」を省いた言葉を使うことにより、否定的な発言を無くすできます。
そうすれば、こちらの要望を伝えることができる上に、相手に否定的な意味合いを感じられずに物事を解決することができるので、神経質な人でも機嫌を損ねることは少なくなります。
周囲の人間に否定的な発言に敏感な人がいる場合、否定語を使用しないで発言することで、その人を傷つけることなく修正点を伝えることができるでしょう。
「何で〇〇なの?」
よく使われる例文としては、「何で出来ていないの?」といった言葉です。
それ以外でも、「でもそれでいいの?」といった言葉も否定語+疑問形になります。
否定語と疑問形の組み合わせは、神経質な人はおろか、通常の人でさえ明らかに否定されていると思われてしまいます。
これを聞く本人としては理由を知りたいのですが、「何で」という否定語を使用することにより、「私には意味が分からない」とバッサリ切り捨てて聞こえるようになってしまいます。
もちろん「どうして」といった言葉も、「何で」と同じ意味合いなので、こちらも避けるべき単語です。
また、否定から疑問形を用いた理由を聞くのは、「明らかにあなたの言動は間違っている」と聞き取れてしまうので、その言葉の組み合わせとして強力な否定的な言葉の例とも言えるでしょう。
その場合、「分からないから教えて?」という言い方にすることにより、言葉の内容が柔らかくなり、否定的に捉えられなくなります。
また、疑問形は否定語と組み合わせなければ、否定的な効果を強めたりはしないので、問題なく使用することができます。
言葉の組み合わせにより否定的な言葉を強めてしまう恐れがあるので、否定的な言葉をしたくないのであれば、否定語+疑問形を用いた言葉を使用するのは避けましょう。
「どうせ」「やっぱり」「ほら」
予め想定されている言葉の前置きに使うのですが、否定的な意味合いで使用されるケースが多いです。
「どうせうまくいかないでしょ」「やっぱりダメだった」「ほら言った通り」と、これら全て否定的に捉えてしまう内容です。
むしろ、「ほらできた」「やっぱりうまくいったでしょ」「どうせうまくいくから」といった前向きな言葉は、殆ど使用されなくなりました。
これら3つの単語は否定語以外にも使用できるものの、単語だけでも否定的に聞こえてしまうのです。
世間一般として否定的な物事が多くなったせいで、このようなすてばちな発言に意味をシフトしてしまっているのが原因の一つです。
否定的な気持ちが強くなると、前向きでも後ろ向きでもどちらでも使用できる単語を、必然的に後ろ向きに使ってしまうようになってしまいます。
そうなると、口癖のように上記3つを使用したネガティブ発言をするので、もしこれら言葉を使うのならあえて「前向き」な言葉を組み合わせるようにしましょう。
「どうせ」という単語が来たら「できる」といった前向きな言葉を。
また、「やっぱり」という単語も、後には「やれる」「できる」「うまくいく」といった前向きな単語を組み合わせるようにしましょう。
否定的に単語を使用すれば、否定的な意味合いが当たり前になってしまうので、前向きになる為にもこのような言い回しを意識して発言してみましょう。
否定的な性格を直す方法とは
肯定的に考える癖をつける
ものの考え方は、意識1つで変えることができます。
否定的な性格を直したいと思うのなら、普段から肯定的に考える癖をつけてみるのがおすすめです。
日常の些細なことでもなんでも、ポジティブに考えられるように努力してみましょう。
ポジティブな考え方は、否定的にものを見ていては浮かばないものなので、何に対してもフラットな目線を心がけることが大切です。
フラットな目線というものがどういうものなのか、自分のスタンスがどのように否定的で、どこを直せばよいのかわからないという人は、考え方の歪さを自覚する所から始めてみるとよいかもしれません。
目線を向ける対象として、実際の人間の行動や意見を置いてみるようにすると、普段から自分が人の意見に対してどのような反応をしているのか、何が問題なのかということがわかりやすくなります。
まずはTVや新聞を見て、書いてあることや出演者が話していることを、ありのままに受け止めてみてください。
言葉や行動に対して物を申したくなったり、イライラしてきたりする、その感情こそが否定感です。
否定に寄ってしまう気持ちを抑えつつ、どんな言葉でも楽しく、明るく、良いものとして受け取れるよう努力してみましょう。
他者の言動に対して否定的な感情より、肯定的な感情が先に来るようになったら成功です。
人の意見を最後まで聞く
否定的な性格の人は、人の意見よりも自分の意見を優先してしまいがちです。
他者が話をしている時に、自分の考えとは違う意見が出てきたとしても、その場ですぐにそれは違う、それは間違いだと声高に言うのはよくありません。
話の途中で引っ掛かりを覚えたとしても、話が終わっていないのならまず、その人の意見を最後まで聞くべきです。
最後まで聞いていく内に印象が変わるかもしれませんし、変わらなければ終わった後感想を求められた時に、自分の意見として改めて言えばよいわけで、人の話を遮ってまで否定する道理はどこにもありません。
そもそも相手は意見を求めておらず、ただ話を聞いて欲しいと思っているだけという可能性もあります。
人の意見を最後まで聞けないせっかちな心が、否定的な性格を顕著にしてしまっているというケースは多いので、ともかく相手が話し終わるまで黙って聞くということができるように頑張ってみましょう。
気持ちが高ぶるあまり、咄嗟に話を遮ってしまうということのないように、話を聞いている最中は冷静になれるように努めてください。
自分の感情を自分でコントロールするという行為を、放棄してはいけません。
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否定よりもどうしたらよいかを考えてみる
否定的な性格な人は、否定するだけで満足してしまう性格の人、と言い換えることもできます。
何が不満で否定をしているのか、どうして欲しいから否定しているのか、否定の意思を示しただけで満足せずにその先のことまでしっかり考えるようにすることで、否定で止まる思考からの脱却が図れます。
何かに反対したい、間違いだと言いたい気持ちが高まったら、否定の気持ちを口にする前に、自分にとって何が理想なのかを考えてみましょう。
何が何でも否定したいほどに強い思いがあるのなら、どのような改善を望むのかという意見も、直ぐに出すことができるはずです。
否定するよりも、一足飛びに改善点を伝えてしまった方が、話は早く済み建設的です。
考えても否定しか浮かばないというのなら、それは意見ではなくてダダをこねているだけです。
何が出てきても満足できないのなら、相手の話に否を唱える資格もまたありません。
否定的な性格を変えるためには、自分自身で否定的な考えに見切りをつけるという行為が必要になります。
否定だけでは何も変わらないということを理解し、自分にとって不本意な状況を変えるための方法を考えることの方に力を入れていきましょう。
否定的な人の対処法とは
相手に期待をしない
否定的な人と接しなければならない場合には、基本的に相手に何も求めないほうが心の平穏を保つことができます。
どうせ何を口にしても否定をされてしまうのなら、受け入れられるかもしれないと期待をすれば傷ついてしまうだけです。
塩対応でいて冷たくしろというのではなく、あくまでも角が立たないように他の人と接するような同じ態度でいることが大切になりますが、肯定されることを考えずにどうせ否定されるだろう、意見は却下されるだろうと最初から理解をしていれば、裏切られたりがっかりするような気持ちにはなりにくくなります。
心を乱されないように構えておくことが大切です。
また、否定的なことを言われても反発をせずに一度受け入れ、その意見を参考にするという旨を伝えて流すようにするといいでしょう。
まともに受け入れてしまうと場がしらけてしまったり、楽しい会話をしていても空気が悪くなってしまいますが、それに同調したりカッとなってさらに反論しても余計に状況が悪化してしまうだけです。
最初から期待さえしなければ、相手に何も求めなくなりますから、いちいちイライラせずに済むようになります。
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あえてアドバイスを求めてみる
行っていることや行おうとしていること、こちらの意見などを否定されると確かに腹が立ってしまいます。
ただ、何故そう思っているのかあえて意見を聞いてみることで、それが根拠に基づいてのその人なりの意見なのか、ただ単にこちらを批判したいだけの意味のないものなのかが判断できますので、否定された時に流さず、あえてどうしてそう思っているのか尋ねてみるのも一つの対処方法です。
否定意見を真摯に受け止め、教えを請いたいという気持ちを出して聞いてみるといいでしょう。
指摘に感謝をして今後の改善のためにどうすればいいのか教えて欲しい、自分とは物の見かたが違うようだからどうしてそう思ったのか参考にしたい、否定意見に対してそう切り替えしてみると、口にした手前何かしらの案を出さざるを得なくなります。
単に欠点を指摘して相手を嫌な気持ちにさせたいだけの底の浅い人であれば、そうした切り替えしを繰り返していくうちに気まずくなり、自然とこちらと距離を置いてくれるようになるでしょう。
もし皮肉ではなく本当にこちらと対立する意見を持っている人であれば、自身が成長するチャンスとなります。
否定への切り返しは、こちらが一つも損をすることがないお得な方法です。
適当に持ち上げておく
否定的で面倒な人とは物理的に距離を置いてしまうことが一番の対処法ですが、そうも行かないのであれば、否定意見に対して哀れみを持ちつつも適当に持ち上げておくと機嫌よくいてくれます。
何に対しても否定的な人というのは、相手をバカにして自分が優位であることを実感したい、相手よりも物事をよく見ていて勝っていると感じて安心感を得たい、意見にそぐわない人を排除して精神的な地位を安定させたい、そういった余裕がない人でもあるのです。
否定された時には冷静になり、この人は相手を否定することでしか自分を確立できない人なのだと可哀相に思いつつ、適当に意見を賞賛してみるといいでしょう。
そんな見かたができるなんて凄いですね、浅慮な私はそういった意見を持つことができませんでした、など、否定意見そのものを採用するのではなく、否定したことに対して煽てておくのです。
とりあえず気持ちよさそうにしていてくれますし、こちらも心の中で相手を下に見つつ腹の立つ気持ちを抑えることができて一石二鳥になります。
凄いといわれて嫌な気持ちになる人はいませんし、否定的な人でも扱いやすくなります。
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否定的な感情や考えを排除しよう
いかがでしょうか。
否定的な人は、その考え方が自然と身に付いてしまっています。
そのことを自覚しないと改善することは難しいでしょう。
あなたが否定的な人と付き合っている時、どのような感情を持つでしょうか。
多くの人は、「疲れる」、「めんどくさい」、「また否定された」と負の感情を持ちます。
あなたが否定的な人であれば、周りからはこのように思われているということです。
そう考えると今すぐにでも改善するべきだということは理解できるでしょう。
大切なのは常に意識を持つことです。
否定的な部分が出そうになってしまったら、グッとこらえる。
この繰り返しが非常に重要です。
ある程度、自分に制約を課さないと、人はどんどん自分の都合のいいように考えて、流れていきます。
つまり堕落です。
この意識を持つ、というルール作りこそ、制約となり堕落への一歩を食い止めることができるのです。
たかが意識、されど意識ということです。
また、もしあなたの仕事が上手くいっていなかったり、職場での悩みがあるのであれば「仕事ができない人の特徴とその対処法9つ」もあわせて読んでみましょう。きっと今までの悩みや問題が一瞬で解決できるキッカケをつかむことができるはずですよ。